Netflixが大きく会員数の減少を記録し、ライバルの台頭などによって収益性の悪化が懸念され、一時は株価が20%も下がるなど、同社には成長への次の一手が求められていたが、彼らが選択したのは「広告付きの格安プランの導入」である事は周知の事実。
他のプランに比べて安くはあるが不便な面もあるなど、賛否両論あるこのプランだが、新たな情報として、新たな広告付きプランの一部コンテンツでは、広告が表示されない可能性があるとBloombergでは報じている。
広告というのは、テレビや新聞ではどちらかと言えば市民権を得ているイメージだが、ネット上ではまだまだデジタルコンテンツやWebサイト上の広告は、ネガティブなイメージが強い。それは、アプリやサイト上で目にする広告は、追跡によって我々の行動を覗き見する可能性があることが大きいだろう。ただ、広告が適切かつ良心的に利用されることで、例えばGoogle、YouTube、Facebookなどの企業が無料でサービスを提供できるようになっている事実を忘れてはならない。
Netflixのようなサブスクリプション型企業も、自社製品をより魅力的にするためにその戦略を使い始めているが、同社の次期広告サポート層では、邪魔なコマーシャルを常に浴びせられる心配はなさそうだ。一連の噂の後、Netflixは今年の夏の初めに、同社の動画ストリーミングサービスに、広告で一部を補助する、より手頃な価格の契約層を本当に開発していることを確認した。もちろん、このプランは完全に無料にはならないが、それでもプラットフォームの基本料金である月額9.99ドルより安くなる可能性がある。しかし、同社はまだこのプランを確立する初期段階にあり、関係するすべてのコンテンツ・パブリッシャーと契約を結ぼうとしているところだ。
ライセンス契約の関係で、Netflixは広告付きチャンネルで全作品を提供することはできない。例えば、コンテンツライセンスによっては、広告を表示することを禁じているものもあり、そのような番組や映画は、広告付きプランの加入者はアクセスすることができない。しかし、Netflixは独自の例外規定も設けているようで、この新たなプランについて、もう少しポジティブにとらえることができるかもしれない。
Bloombergの取材に応じた関係者によると、新たな広告付きプランでは、永久的または一時的に広告が入らないタイプのコンテンツがあるようだ。その筆頭が子供向けのオリジナル・コンテンツで、完全に広告が入らないものになると情報筋は主張している。これはおそらく、誤って子供の番組に不適切な広告を表示してしまうことで、起こりうる法的な問題に対するリスクヘッジとして、Netflixが取れる最善の方法なのだろう。これまでにもYouTubeやGoogleが起こされた訴訟とその損害賠償を見てきた彼らは、賢く過去から学んでいるようだ。
Netflixのオリジナル映画も、少なくとも関係者によれば、コマーシャルを表示しないが、それは最初の公開時だけだという。この広告なしの扱いがいつまで続くかは報告されていないが、それらの映画も最終的には広告が表示されると言われている。この戦略は、Netflixで映画を有料と広告付きの両方の層でデビューさせる際に、一部の映画製作者やスタジオをなだめるためのようだ。
しかし、これらはすべて、まだ初期の計画段階での話だ。実際に広告付きプランを実現するまでには様々な乗り越えるべきハードルがあり、簡単なことではない。
Netflix は慎重に検討し、特に、コンテンツ付きの広告を表示するライセンスのプレミアムを引き上げる場合はパートナーと交渉する必要がある。また同社は、広告付きプランを魅力的なものにするために、ライブラリを十分に充実させられなければ、この計画を完全に破棄することになるかもしれない。
ただ、子供向け番組で広告が表示されないというのは朗報だ。子供向けになるべくお金のかからない方法で動画を見せたくても、YouTubeで親子が馬鹿騒ぎして過剰なエフェクトで面白おかしく見せようとしている動画くらいしかない現状を鑑みるに、今後はNetflixが有望な選択肢として浮上してくる可能性もありそうだ。
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