ロシアとウクライナの戦争が続き、景気後退によって消費者の支出が鈍化するにつれ、世界的なチップ不足が長引く可能性があると、CNBCの最新リポートで報告されている。戦争は、個人消費の後退と相まって、ハイテク製品のコストを引き上げる可能性がある。
サプライチェーンの混乱が続けば半導体不足が長引く可能性
戦争が直接的な影響を及ぼすのは、サプライチェーンに関してだ。ウクライナとロシアには、半導体チップの製造に必要な原材料、ガス、資源がある。戦争が続くと、これらの重要な資源の輸出が難しくなる。ウクライナとロシアは、半導体チップの製造に使われる重要な資源であるクリプトンガスの最大の輸出国である。
ネオンも同様に重要なガスで、世界のネオン供給の半分以上がウクライナの企業によって生産されている。既に今回の戦争によってウクライナのガス会社2社が供給を停止している。この2つの重要なガスは、世界中の半導体工場にとって入手が非常に困難になる可能性がある。
クリプトンやネオンの不足が深刻化すれば、半導体を使用するすべての機器(携帯電話、タブレット、コンピューター、自動車のECM、その他コンピューターチップを搭載するあらゆるもの)の価格と供給に影響を与えることになる。
もう一つの問題は、インフレの進行、特にコンピュータ製品への個人消費の減少である。企業向けは今のところ堅調とのことだが、消費者向けはすでに不況の兆しが見えている。
さらに、アジアのハイテク企業は、給与コストの上昇と市場でのスキル格差によりマージン圧力が高まり、支出や採用のペースを落とし始めている。Appleはすでに、これらの理由だけで採用を減速させる計画だ。
実際にチップ生産受託企業(ファウンドリ)は少しずつ値上げを続けているし、Intelも自社製品に関して最大20%の大幅な値上げを通知している。
これら要因が重なれば、今後数ヶ月の間にコンピュータ製品の価格が大幅に上昇する可能性がある。しかし、これはインフレ問題がどの程度悪化するか、また、ウクライナ戦争が長引き、重要なガスの供給にさらに強い負担がかかるかどうかにかかっている。
逆に現在NAND価格の下落やGPUの投げ売り的な状況から製品関連は特に安くなってはきているので、今年後半に価格が高騰したときのために、買っておくのも悪くないかもしれない。
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