SK hynixは、ISSCC 2023カンファレンスで、記録的な194GBpsの速度でデータを取り込む300層以上の3D NAND技術を開発したことを明らかにした。
同社では、5つの新しい技術を300層以上の1Tb 3b/cell(TLC)3D-NANDフラッシュメモリ製品に適用したとしている。
- トリプルベリファイプログラム(TPGM)技術により、プログラム性能を向上させた。
- 適応型非選択ストリングプリチャージ(AUSP)技術により、ディスターブとプログラム時間(tPROG)を短縮している。
- プログラムされたダミーストリング(PDS)技術により、WLセトリング時間が短縮される。
- オールパスライズ(APR)技術により、読み出し時間(tR)を短縮している。
- 消去時にプレーンレベルリードリトライ(PLRR)技術を使用し、QoSを向上させる。
TPGM方式は、セルのしきい値電圧(VTH)分布を狭くすることで、tPROGを低減する。SK hynixの現在のダブルベリファイプログラム(DPGM)方式は、セルを3つのグループに分けているのに対し、TPGMはセルを4つのグループに分類するため、プログラム(書き込み)性能をより適切に管理することができる。これにより、「プログラム時間を約10%短縮することができる」とのことだ。
AUSP方式では、プログラム時間をさらに2%短縮することができたという。PDS方式は、ワードラインのセトリングタイムに影響を与える容量性負荷を低減することで貢献する。APR方式は、新しい電圧レベルに対するワードラインの応答時間を短縮し、読み取り時間を2%改善する。
これらの限界と限界に近い利得の累積効果は、表が示すように、20Gb/mm2のビット密度と記録的な194GBpsの書き込み速度を持つ1テラビット300層以上のTLC NANDセルを実現した。
300層ダイのイメージも明かされている。
SK hynixは、第8世代3D NANDデバイスの生産をいつ開始する予定なのかを明らかにしていない。しかし、同社がこの技術の詳細を開示したことから、その開発は完了したか、完了に近づいているようだ。一方、どのフラッシュメモリメーカーも、NANDのビット出力を制限するために新しい製造ノードの採用を遅らせる傾向があるため、SK hynixが第8世代3D NANDの生産を急ぐとは考えにくい。したがって、新しいメモリが採用されるのは2024年と予想するのが合理的である。
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