Gigabyteは、高速なPCIe 5.0に対応した、「Aorus Gen5 10000」1TBおよび2TB SSDの機能と仕様の詳細を示す全製品ページを公開した。大容量のM.2ドライブは、最大10,000MB/sの読み込みと9,500MB/sの書き込みが可能だという。さらにこのSSDには、2本のヒートパイプとナノカーボンコーティングを施したスタックフィンを備えた、巨大なGigabyteのオプションヒートシンク「M.2 Thermal Guard XTREME」が付属し、サーマルスロットリングを最小限に抑えることが期待できるとのことだ。但し、その大きさ故に、適合しないシステムも多く存在する点に注意が必要だろう。
このSSDは、2022年8月に発表されたものだ。当時、GigabyteがテストしたこのPCIe 5.0ストレージは、次世代NANDなどを搭載し、12,450MB/sのリードスピードを達成すると述べられていたが、残念ながら、実際に販売されるSSDは、少し控えめな性能となっている。とはいえ、Aorus Gen5 10000 SSDの2TBバージョンは、最大10,000 MB/sのシーケンシャル・リードを実現しているので十分高性能と言えば高性能だ。その他の重要な技術仕様とGigabyteの1TBと2TBモデルの比較については、以下の通りとなっている。
Aorus Gen5 10000 1TB | Aorus Gen5 10000 2TB | |
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インターフェース | PCI-Express 5.0 x4, NVMe 2.0 | PCI-Express 5.0 x4, NVMe 2.0 |
SSDコントローラー | Phison E26 | Phison E26 |
フォームファクタ | M.2 2280 (80 x 22 x 2.3mm) | M.2 2280 (80 x 22 x 2.3mm) |
容量 | 1,000GB | 2,000GB |
NAND | 232-layer 3D TLC NAND Flash | 232-layer 3D TLC NAND Flash |
DDRキャッシュ | LPDDR4 2GB | LPDDR4 4GB |
シーケンシャルリード | Up to 9,500 MB/s | Up to 10,000 MB/s |
シーケンシャルライト | Up to 8,500 MB/s | Up to 9,500 MB/s |
サイズ | 92 x 23.5 x 44.7mm | 92 x 23.5 x 44.7mm |
MTBF / 保証 | 160万時間 / 700TBW | 160万時間 / 1400TBW |
上の表からは、大容量化によるパフォーマンスの向上が確認出来る。残念ながら、Gigabyteはまだ4TBモデルをリストアップしていないが、そのうち登場する事を期待したい。どちらのモデルを購入しても、アクティブ時には11W未満、アイドル時には85mW未満の電力を消費しとなっている。
問題は巨大なヒートシンクとの相性問題か
専用設計のヒートシンク、「M.2 Thermal Guard XTREME」についてだが、M.2 SSDは、裸でもマザーボード付属のヒートシンクでも動作させることができる。だが、それでもGigabyteは、”パソコンがCPU AIO水冷クーラーを採用している場合、パッシブエアフロー状態でのベストソリューション”として、XTREMEヒートシンクの使用を勧めている。
上の図は、負荷時の温度を約60℃で安定させるヒートシンク「M.2 Thermal Guard XTREME」を使用した場合の効果を示している。ヒートシンクの効果がよく分かる結果となっているが、裏を返せばPCIe 5.0対応SSDの発熱が顕著である事の表れでもある。実際に、発売前にもこの発熱に関してはアクティブな冷却機構が必要になると指摘されていたので、予想通りの流れといった感じか。
しかし、この巨大なヒートシンクは、システム内の他のコンポーネントと衝突する可能性があり、選択肢が少ないことを意味する。皮肉なことに、その互換性のないマザーボードには、最新のGigabyte製品も含まれるようだ。実際の互換性はこちらで確認出来る。
Gigabyte / Aorus Mini-ITXマザーボードをお持ちの場合、M.2 Thermal Guard XTREMEを装着することは出来ない。Gigabyteでこれなのだから、他社の多くのマザーボードに同じことが当てはまる。
製品ページやスペックを熟読できるのはありがたいが、本稿執筆時点では、これらの1TBや2TBドライブの発売価格や在庫状況は不明となっている。
Source
- Gigabyte: AORUS Gen5 10000 SSD
- via PC World: Gigabyte’s newest SSD has a heatsink with its own zip code
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