Micronが232層NANDフラッシュを発表 – チップパッケージあたり最大2TBを実現

(Image credit: Micron)

Micronは、232層TLC NANDの出荷を開始し、これまでの最多のレイヤー数で業界をリードすることを発表した。この新しいNANDフラッシュは、業界最高の密度を持ち、1つのNANDチップのパッケージで最大2TBのストレージを可能にする。また、容量だけでなく、1チップあたりの書き込み速度が100%、読み出し速度が75%以上向上しており、性能面でも飛躍的な進化を遂げているとのことだ。Micronは、このフラッシュを既にCrucial SSD向けに出荷している他、NANDコンポーネントとして他のメーカーにも供給している。

容量アップに加えて、読み取り・書き込み帯域もアップ

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(Image credit: Micron)

Micronは、ストレージの密度を高めたことで、前世代のフラッシュに比べてパッケージ全体を28%縮小することができている。2TBチップの各パッケージは、11.5 x 13.5mmという驚くべき小ささで、切手の面積の3分の1以下だという。この2TBという容量は、340時間分の4Kビデオを保存することができる容量だ。

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(Image credit: Micron)

Micronの232 Layer(232L)NANDは、同社の前世代フラッシュである176Lからの見ても飛躍的なステップアップとなり、レイヤー数で他社を圧倒している。だが、レイヤー数よりも重要なのは密度だ。MicronのTLCフラッシュは、B58Rと名付けられ、1Tbのストレージを1つの小さなダイに詰め込んでいる。16個のダイをパッケージに収めることができ、1つのチップ・パッケージで最大2TBを実現できるのだ。

MicronSamsungWD/KioxiaSK hynixYMTC
レイヤー数232200162176128
1mm2あたりの密度14.6 Gb mm28.5 Gb mm210.4 Gb mm210.8 Gb mm28.48 Gb mm2
ダイ容量1 Tb512 Gb1 Tb512 Gb512 Gb
次世代規格とリリース時期?3xxレイヤー(不明)212 レイヤー(不明)238レイヤー (2023)196レイヤー(2022下半期)

このフラッシュ密度は、1mm2あたり14.6Gbのストレージに相当し、Micronによると、現在出荷されている競合のTLCフラッシュに対して30~100%の優位性があるとのことだ。つまり、Micronの各ダイは、およそ69mm2であることになる。Micronはこれまでと同様、第6世代となるCMOS under the Array(CuA)技術を使って、データストレージアレイの下にCMOSを積層することで密度を高めている。Micronはまた、デュアルスタックフラッシュ設計を採用しており、各完成ダイは、ストリングスタッキングと呼ばれるプロセスで結合された2つの116層ダイで構成されていることを意味する。また、高密度化の要因として、高アスペクト比のホールを形成するプロセスの高度化と材料の進化を挙げている。

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(Image credit: Micron)

MicronがQLCの生産を開始すれば、さらに高密度になるが、同社はまだその詳細を明らかにしていない。

Micronは、TLC NANDの出荷において業界初となる新しい6プレーンアーキテクチャにより、性能も大幅に改善されたと発表している。プレーンとは、I/Oリクエストに独立して対応できるフラッシュダイ領域のことで、CPUのコアがそれぞれ並列に処理を完了できるのと同じようなものだ。正しく設計すれば、プレーンの数が増えるほど、性能は向上する。

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(Image credit: Micron)

Micronは、このプレーン数を従来の4プレーンから6プレーンに変更したことと、ダイからより多くの帯域を提供するためにONFI 5.0インターフェイスを50%増の2.4GB/sにしたことが、前世代の176層NANDに比べて書き込み帯域が100%、読み取り帯域が75%以上高くなったという性能向上に寄与している。とはいえ、この結果が即座に、既存のドライブに比べて2倍の速度のSSDが登場することを意味する訳ではない。SSDでは、コントローラやインターフェイスなど、他のボトルネックも存在するからだが、他のエコシステムが新しいフラッシュの速度に追いつくにつれて、より高速なデバイスへの道が開かれるだろう。

Micronによると、プレーンを追加することで、内部経路でのI/O「衝突」が少なくなるため、サービス品質と読み取り/書き込みのレイテンシも改善されるが、同社はまだ読み取り/書き込みレイテンシの指標を共有していない。232Lフラッシュは、低電圧NV-LPPDR4インターフェイスをサポートし、ビットあたりのエネルギー使用量を旧世代のインターフェイスよりも30%削減している。Micronは、世代を超えたエネルギー効率の向上を主張しているが、まだ明確な指標は公表していない。これについては今後詳細が明らかにされていくだろう。

Micronは耐久性についても今回は言及していないが、232L TLCは一般に前世代のフラッシュと同じ耐久性を示すと予想される。ちなみに、耐久性はプログラム/消去(P/E)サイクルで評価される。参考までに、Micronの前世代TLCは通常、消費者向けSSDでは1,000~3,000 P/Eサイクルの範囲に収まり、エンタープライズSSDでは5,000~10,000サイクルの範囲に収まっている。もちろん、これは採用する誤り訂正符号(ECC)の種類によって影響を受けるが、232L TLCでも同様の範囲を期待できる。

同社は既に5月のイベントで、この新たな232層のNANDフラッシュを発表しており、2023年には搭載製品が登場するだろうとしていたが、すでにNANDダイとしてOEM顧客に出荷されており、小売向けCrucial SSDにも搭載されている。Micronはまだ生産増強の初期段階だが、2022年中にボリュームを上げるという。近い将来、この技術の他のバージョン、例えばQLCのバリエーションも登場することだろう。

さらにその後には300層、400層ももちろん研究が進んでいる。今後のNANDの進化も楽しみだ。

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この記事を書いた人

TEXAL管理人。学校の授業でMS-DOSを使っていたくらいの年代。Windows95の登場で衝撃を受け、テクノロジー業界に興味を持つ。以来ガジェット・ゲーム情報を追い続けてうん十年。大学では物理を専攻していたこともあり、物理・宇宙関係の話題も大好き。

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