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SK hynix、世界最高レベルの238層4次元設計のNANDフラッシュを発表 2023年上期に生産開始予定

Micronが先日232層NAND技術を発表したが、SK hynixは4Dレイヤーの世界最高レベルとなる238層NANDフラッシュを提供すると発表し、2023年の前半までに生産を開始する予定であることを明らかにした。

SK hynix Inc.(以下、当社、www.skhynix.com)は、業界最高レベルの238層NANDフラッシュ製品を開発したことを発表しました

SK hynixは、このたび、238層512Gbトリプルレベルセル(TLC)*の 4D NAND製品のサンプル出荷を行い、2023年前半に量産を開始する予定です。「今回の成果は、2020年12月に開発した176層NAND製品に続くものです。今回の238層製品は、最多層であると同時に最小の面積であることが特徴です。」

* トリプルレベルセル(TLC)。NAND型フラッシュメモリは、1つのセルに含まれる情報(単位:ビット)の数によって、1レベルセル、マルチレベルセル、トリプルレベルセル、クアドラプルレベルセル、ペンタレベルセルに分類される。1つのセルに含まれる情報量が多いほど、同じ面積の中に多くのデータを格納できることになる。

当社は、サンタクララで開催されたFlash Memory Summit 2022*で、この最新製品の開発状況を公開しました。SK hynixのNAND開発責任者であるJungdal Choiは、基調講演で「SK hynixは、4D NAND技術に基づく238層製品を発表することにより、コスト、性能、品質の面で世界トップクラスの競争力を確保した。我々は技術的な挑戦のブレークスルーを見つけるために革新を続けていきます。」と述べました。

* Flash Memory Summit (FMS): 毎年サンタクララで開催されるNANDフラッシュ業界における世界最大のカンファレンス。SK hynixは基調講演でSolidigmと共同発表を行った。

2018年に96層NAND製品を開発して以来、SK hynixは既存の3D製品を凌駕する4D製品を次々と発表してきた。当社は、電荷トラップフラッシュ(CTF)*とペリ・アンダーセル*の技術を応用して、4D構造のチップを製造しています。4D製品は、3D製品に比べ単位あたりのセル面積が小さく、生産効率の向上につながる。

* CTF(Charge Trap Flash)とは、電荷を絶縁体に蓄積する技術です。CTFは、電荷を導体に蓄えるフローティングゲートと異なり、電荷を絶縁体に蓄えるため、セル間の干渉がなく、フローティングゲート技術に比べて単位当たりのセル面積を削減しながら、読み出し・書き込み性能を向上させることができます。

* ペリ。アンダーセル(PUC)。セルアレイの下に周辺回路を配置することで、生産効率を最大化する技術。

本製品は、最高層の238層を実現しながら、NANDとしては最小のサイズであるため、176層のNANDと比較して、単位面積当たりの密度が高いチップを1枚のウエハから多く生産できるため、全体の生産性が34%向上しています。

238層品のデータ転送速度は2.4Gb/秒と、前世代から50%向上しています。また、データ読み出し時の消費電力量も21%削減し、当社のESGコミットメントにも適合しています。

238層製品は、まずPCの記憶装置として使用されるクライアント用SSDに採用され、その後スマートフォンやサーバー用の大容量SSDに提供される予定です。また、来年には1テラビット(Tb)の238層製品を投入し、現在の512Gb製品に比べ、密度を2倍にする予定です。

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masapoco

TEXAL管理人。中学生の時にWindows95を使っていたくらいの年齢。大学では物理を専攻していたこともあり、物理・宇宙関係の話題が得意だが、テクノロジー関係の話題も大好き。最近は半導体関連に特に興味あり。アニメ・ゲーム・文学も好き。最近の推しは、アニメ『サマータイムレンダ』

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