全銀ネットの障害は“メモリ不足”が原因だった

masapoco
投稿日
2023年10月17日 10:50
bank

金融取引がますますグローバルになる中で、これらのゲートウェイを動かす重要な技術は、陳腐化に苦しんでいる。そしてそれのみならず、数日前に全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)で発生した連鎖的な障害で明らかになったように、増え続ける負荷に耐える能力の不足にも悩まされている。

全国銀行協会は先週火曜日、「決済ネットワークシステムの不具合」によって140万件以上の国内銀行送金が中断されたと発表した。この出来事は、同協会にとって初めての大規模なシステム障害となり、11行に影響を及ぼし、その日の終わりまでに約40万件の取引が未処理となった。さらに、不特定多数の銀行間送金もこの不具合の影響を受けた。

約1週間が経ち、ようやく犯人が判明した。全国銀行協会の調査によると、先週の混乱は、決済システムのサーバー内のメモリ容量不足が原因だった。

「全国銀行データ通信システム(全銀システム)」と各金融機関のシステムをつなぐ中継コンピューター(RC)において、メモリー不足によって、金融機関名などを格納したインデックステーブルに不正な値が紛れ込んだ事が障害の原因となった。

インデックステーブルはRCのディスク上にあるファイルから展開する。このファイルを作成するプログラムを実行したタイミングで、一時的に確保するメモリー領域が不足し、ファイルの内容が不正確になったとのことだ。

全銀の混乱が先週示したように、世界の金融システムはレガシー・システムやテクノロジーへの過度の依存に苦しみ続けている。例えば、英国の金融行動監視機構(FCA)は2021年、調査対象企業の約3分の1がレガシー技術インフラに依存していることを明らかにした。全体では、調査対象企業の58%が一部の機能でレガシー技術に依存している。

もちろん、こうしたレガシー技術を置き換える事を目指していないわけではない。各国が中央銀行デジタル通貨(CBDC)を検討しているのも、このようなシステムが軋んでいるという認識があるからだろう。


Source



この記事が面白かったら是非シェアをお願いします!


  • PS5-and-controler
    次の記事

    PlayStation 5 Proは“Zen 2”アーキテクチャを維持したカスタム8コアCPUを搭載か

    2023年10月17日 10:56
  • 前の記事

    Microsoft、Arm版Windows向けアプリ開発者を支援する「Arm Advisory Service」を開始

    2023年10月17日 10:36
    Windows Dev Arm Arm Advisory Service

スポンサーリンク


この記事を書いた人
masapoco

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


おすすめ記事

  • amd ryzen cpu

    暗号通貨マイナーがAMD Ryzen 7950X CPUを買い占めている

  • bitcoin

    米国では暗号通貨マイニングの消費エネルギーが全体の2.3%を占めるまでに

  • data centre 1

    データセンター、AI、暗号通貨による電力需要は2026年までに2倍に達する

  • bhutan

    幸せの国ブータンは国を挙げて暗号通貨に賭けている

  • gpu mining

    暗号通貨マイナーがAIに群がっている

今読まれている記事