金融取引がますますグローバルになる中で、これらのゲートウェイを動かす重要な技術は、陳腐化に苦しんでいる。そしてそれのみならず、数日前に全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)で発生した連鎖的な障害で明らかになったように、増え続ける負荷に耐える能力の不足にも悩まされている。
全国銀行協会は先週火曜日、「決済ネットワークシステムの不具合」によって140万件以上の国内銀行送金が中断されたと発表した。この出来事は、同協会にとって初めての大規模なシステム障害となり、11行に影響を及ぼし、その日の終わりまでに約40万件の取引が未処理となった。さらに、不特定多数の銀行間送金もこの不具合の影響を受けた。
約1週間が経ち、ようやく犯人が判明した。全国銀行協会の調査によると、先週の混乱は、決済システムのサーバー内のメモリ容量不足が原因だった。
「全国銀行データ通信システム(全銀システム)」と各金融機関のシステムをつなぐ中継コンピューター(RC)において、メモリー不足によって、金融機関名などを格納したインデックステーブルに不正な値が紛れ込んだ事が障害の原因となった。
インデックステーブルはRCのディスク上にあるファイルから展開する。このファイルを作成するプログラムを実行したタイミングで、一時的に確保するメモリー領域が不足し、ファイルの内容が不正確になったとのことだ。
全銀の混乱が先週示したように、世界の金融システムはレガシー・システムやテクノロジーへの過度の依存に苦しみ続けている。例えば、英国の金融行動監視機構(FCA)は2021年、調査対象企業の約3分の1がレガシー技術インフラに依存していることを明らかにした。全体では、調査対象企業の58%が一部の機能でレガシー技術に依存している。
もちろん、こうしたレガシー技術を置き換える事を目指していないわけではない。各国が中央銀行デジタル通貨(CBDC)を検討しているのも、このようなシステムが軋んでいるという認識があるからだろう。
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