ソニーは、最近、PS5の内部的な改良を行い、新たな型番「CFI-1202」として徐々に在庫を置き換えはじめている。具体的な変更の内容は明らかになっていなかったが、早速分解して調査が行われ、この新しいゲーム機が、既存の機種より軽量で、より低温で動作し、消費電力が低いことが明らかになった。そしてそれはTSMC 6nmプロセスノードを採用した新しいAMD Obreon Plus SoCの採用による物であるとのことだ。
Angstronomics: PS5 Refresh: Oberon Plus
ソニーの新型PS5(CFI-1202)には、TSMC N6プロセス(6nm)を採用したAMD Oberon SoC(Oberon Plus)が搭載されていることが、Angstronomicsの調査で確認されている。TSMCは、7nm(N7)プロセスノードを6nmのEUV(N6)ノードとデザインルール上の互換性を持たせている。これにより、TSMCのパートナーは、複雑な変更を伴うことなく、既存の7nmチップを6nmノードに容易に移植することができる。N6プロセス・ノードでは、トランジスタ密度が18.8%向上し、消費電力が削減され、その結果、温度も下がるのだ。
このため、ソニーの新型PS5は、初期型と比較して、より軽量で、より小さなヒートシンクを備えている。上画像は新モデルに採用されている6nm AMD Oberon Plus SOCと、既存モデルに採用されている7nm Oberon SoCをならべたものだが、新しいダイのサイズは約260平方ミリメートルで、7nm Oberon SOC(~300平方ミリメートル)と比べてダイサイズが15%削減されている。また、6nmへの移行にはもう1つの利点があり、それは1枚のウェハで生産できるチップの数が増えることが挙げられる。これにより、新たなOberon Plus SoCは、同じコストで約20%多くのチップを生産できる、とのことだ。
このことは、ソニーが、PS5に使用するOberon Plusチップをより多く提供できることを意味し、現行ゲーム機が発売以来直面している品薄問題を軽減することができることを意味している。また、TSMCは将来的に7nmのOberon SoCを段階的に廃止し、6nmのOberon Plus SoCに全面移行するとも言われており、これによりウェハあたりの製造チップ数が50%増加することになる。Microsoftも将来、Xbox Series Xコンソール向けに刷新されるArden SoCに6nmプロセスノードを利用することが予想される。
コメントを残す