SSDの価格は2023年半ばに底を打ち、今後は上昇が見込まれるとのレポートは何度か報告されているが、TrendForceの最新のレポートでも、SSDが2024年を通じて急騰すると予測されている。これはSSDの基幹部品であるNANDフラッシュの価格が短期間で50%以上上昇すると見込まれており、これがSSDの価格上昇につながるためだ。
これまでSSDはかなり安く購入することが出来ていたが、現在のNANDフラッシュ価格は製造業者にとっては製造すればするほど赤字を生み出す結果となっている。2023年の後半からNANDチップの価格は既に上昇しているが、フラッシュメモリ製造業者が利益を回復しようとする中で、さらなる価格上昇が予想されるのだ。Samsung、SK hynix、Micronなどの企業は、世界のNANDの大部分を生産しており、現在の価格から40%の上昇で損益分岐点に達し、50%の上昇で利益を出すことが出来るとみられている。そして各社これを目指しているのだ。
DRAMeXchangeが追跡するNANDフラッシュのスポット市場では、既に価格変動が見られる。2023年7月にNAND価格が最低点に達して以来、毎月の平均価格が徐々に上昇している。現在、512GB TLCチップの価格は7月に比べて120%高く、256GBと128GB TLCもそれぞれ60%と22%の上昇を見せている。12月6日から現在まで、512GB、256GB、128GB TLC NANDの価格はそれぞれ7.4%、4.2%、4.6%上昇している。さらに50%の価格上昇があれば、2021年7月の水準に戻ることになる。
TrendForceによると、価格低下の原因は生産量の減少だ。当然のことながら、供給が減少し需要がそれを上回れば価格が上昇するのが市場の原理だ。Samsungは9月以降、生産量を50%減少させているが、市場は既に在庫のクリアによる価格上昇を見せている。
人気のあるSSDモデルの価格も既に上昇している。例えば、MX500 1TBは9月に約6,600円だったが、現在は12,000円前後で販売されており、既に2倍近い価格となっている。
これには円安の影響もあるだろうが、2024年に多少は円高が進むとしても、50%近い円高は恐らく見られないだろうと思われるため、NANDフラッシュの50%近い価格上昇が見られるとすると、15,000円程度になってもおかしくないだろう。
とはいえ、これは製造業者にとっては良いニュースである。今年の初めは業界にとって厳しい時期で、特にMicronは第1四半期に23億ドルの損失を記録していた。安価なPC部品は魅力的だが、これらの価格は持続可能ではない。現在は2021年の高値や2022年初めの価格からはまだ下がっているが、業界はその水準に戻ろうとしている。
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