2019年、IntelとNetflixは、AV1コーデックのソフトウェアベース(CPU)エンコード実装で協力し、SVT-AV1(SVT: Scalable Video Technology)が誕生した。SVTはIntelが開発したもので、その名の通り、マルチスレッドプロセッサやマルチソケットのCPUシステムの性能を最大限に引き出すために、高いスケーラビリティを持つように設計されている。だが、Intelのこの技術は、AMDのRyzenやEPYCチップでも利用可能で、どちらもSVT-AV1ベンチマークでかなりの好成績を残している。
SVT-AV1はAOMedia(Alliance for Open Media)にも採用されており、最新バージョンのコーデックは、特定の状況下で最大40%の大規模な性能向上をもたらしている。公式リリースノートでは、より高品質なプリセットでエンコードした場合、30~40%のスピードアップが得られるとしている。(これがIntelチップなのか、AMDチップなのかは不明だ)
一方、より高速な(低忠実度の)プリセットでは、Bjontegaard delta rate(BDレート)でも同様に1~4%のささやかな向上が見られる。BDレートはさまざまなコーデックの圧縮効率を測定・比較するのに役立つものだ。
SVT-AV1 バージョン1.6.0の全変更履歴は以下の通りとなっている:
エンコーダー
- プリセットM1~M13のランダムアクセスモードのトレードオフを改善しました:
- 高画質プリセットで30~40%の高速化。
- 高速化したプリセットでBDレートを1-4%向上。
- スクリーンコンテンツとノンスクリーンコンテンツのエンコードモードにおける低遅延モードのトレードオフを改善します。
- パイプラインの入力にある従来の1フレームバッファを削除するトグルを追加し、低遅延モードがサブフレーム処理のレイテンシーで動作するようにしました。
- フレームごとに関心領域の量子化オフセットを指定するための新しいAPIを追加しました。
ビルド、クリーンアップ、バグフィックス
- 様々なクリーンアップと機能的なバグフィックス
- スタートアップのミニゴップサイズのBD-レートロスを修正
- オフラインでCi-testを実行する機能の追加
Source
- GitLab>SVT-AV1: v1.6.0
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