スタートアップのNeo Semiconductorは、既に発売しているX-NANDフラッシュメモリの、第2世代のチップでデータの並列書き込みを可能にし、ストレージの速度を2倍にしたと主張している。こうすることで、X-NANDは、安価で大容量であるQLCフラッシュからSLCレベルの性能を実現できるとのことだ。
- Neo Semiconductor : X-NAND Gen 2(PDF)
- Blocks and Files : Neo Semiconductor doubles X-NAND die speed
Neo SemiconductorのX-NANDアーキテクチャは、すべての世代のフラッシュメモリに適用可能で、3Dマトリックスの各プレーンを4~16のサブプレーンに分割し、ページバッファを使って各プレーンに並列にアクセスすることで速度を最適化するものである。
X-NANDアーキテクチャの第1世代では、SLC/TLCの並列プログラミングに合計4つのプレーンを使用する。入力データは3つのプレーンで3本のSLCワード線にプログラムされ、その後4番目のプレーンでTLCワード線にプログラムされる。
これにより、従来のSSDが160MB/secであるのに対し、第1世代X-NAND SSDは1,600MB/secのシーケンシャルライトスループットを実現することが可能となった。
第2世代X-NANDでは、異なる方式をとっており、SLC/TLCの並列プログラミングに2つのプレーンを使用する。入力データは、従来通り3本のSLCワード線にプログラムされるが、今回は1プレーンのみで、その後2プレーンでTLCワード線にプログラムされる。これにより、少ないプレーンでデータの書き込みを並列に行うことができ、X-NANDは大容量かつ低コストのQLCメモリでSLC並みの性能を実現することができるという。
これにより、X-NAND第2世代は、Neo Semiconductorによれば、シーケンシャルライトスループット3,200MB/secを実現し、標準的なSSDの20倍高速化されるという。また、レイテンシも改善されている。
この革新的なテクノロジーは、8月2日から4日まで米国カリフォルニア州サンタクララで開催されたフラッシュメモリサミットでBest in Show賞を受賞した。 Neo Semiconductorによると、この新技術は、現在の製造技術と互換性が有り、製造コストやダイサイズの増加なし取り入れることが可能のことだ。
受賞後、同社の創業者兼CEOであるAndy Hsu氏は、次のように述べている。「今回の受賞は、ITシステムやコンシューマ製品において増大する性能ボトルネックに対応する、幅広い機能を備えた真に革新的な技術をNAND市場に導入した当社の努力が評価されたものです。X-NAND Gen1の2倍のスループットを持つX-NAND Gen2は、大容量かつ低コストのQLCメモリでSLC並みの性能を実現することが可能です。X-NAND Gen2は、製造コストを増加させないゼロインパクトのアーキテクチャと設計の変更を取り入れながら、並外れたスループットとレイテンシの向上を実現しています。」
ただし、具体的にX-NANDを採用しているストレージメーカーについては、本稿執筆時点では不明である。
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