Huaweiが独自に開発した7nmチップを搭載した「Mate Pro 60」は、中国の半導体産業の進歩の証であり、米国の制裁に対する反撃の狼煙だとする国内の多くの威勢の良い声にもかかわらず、実態は中々悲惨なようだ。
米国が半導体分野での制裁措置を開始した2019年以来、中国のチップ企業の数は顕著に減少している。DigiTimesによると、2019年以降、22,000社以上のチップ関連企業が姿を消したが、特に2023年は記録的な倒産件数が見られたとの事だ。
DigiTimesによると、2023年に登記を抹消したチップ関連企業は過去最多の10,900社に上り、2022年の5,746社から大きく増加した。1日平均30社の中国チップ関連企業が姿を消したことになる。2023年の急増は、チップ設計、半導体製造、ウェハーファブ装置分野での苦戦の拡大を浮き彫りにしている。
中国半導体産業協会のIC設計リーダーで清華大学のWei Shaojun教授によると、2023年の中国のチップ設計企業3,243社(その多くは、少なくとも部分的には連邦政府や地方政府からの奨励金のおかげで出現した)のうち、半数以上が年か塗り上げ高1,000万人民元(約2億円)以下だったという。
これらの企業は、売上だけでなく、市場の供給過剰と半導体産業全体の広範な経済状況の低迷により、売れ残り在庫から損失を被っている。問題の大きな部分は、計画の誤りに起因している。2021年と2022年に多くの企業が、コロナウイルスによる在宅勤務のトレンドから高い売上を期待して大量のチップを生産した。しかし、パンデミックが和らぎ、需要が減少し、2022年末から2023年初めにかけて市場が低迷し、売れない在庫を抱えることになった。さらに、これらの製品は時間が経つにつれて価値を失っている。
もう一つの問題は、特に小規模企業にとって、投資不足である。米国は中国の半導体産業(およびAIや量子コンピューティング技術)への投資を制限しており、米国の制裁がある中で欧州の投資家が中国のチップ企業への投資をためらっている。
YMTCのような大企業は、事業を継続するために代替サプライヤーを見つけ、サードパーティ製ツールを調達するために何十億ドルも費やしてきたし、Huaweiは秘密のファブ・ネットワークを構築した。中国集積回路産業投資基金は1週間前、HLMCに10億ドルを投じたが、すべてのチップ新興企業に資金を投入することはできない。
中国の半導体産業にとって厳しい年であり、特に小規模プレーヤーにとってはそうである。企業が閉鎖される記録的な数は、彼らが直面している困難な時期を反映している:需要の低下、在庫過剰、資金調達の困難。これにより、多くの企業が市場から撤退し、中国の半導体産業は小規模スタートアップから主に大企業へと移行している。
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