Intelが自社製品だけを製造するのではなく、他社が設計したチップの製造を請け負うチップ製造ファウンドリーに転換するという決断は、現在のCEOであるPat Gelsinger氏の就任による大きな方針転換の1つだが、ライバルのAMDは、この決断が最終的にIntelに破滅をもたらす間違った選択だと考えているようだ。
Intel Foundry Service(IFS)は、製造部門を持たないチップ企業に「ワールドクラスのウェハー・ファウンドリー」サービスを提供している。Intelは、競争が激化し縮小するPC市場で新たな収益源を開拓しようとするGelsinger氏の意向を受け、高度な製造拠点、高度なパッケージング技術、開発サービスを競合企業にも開放している。
Intelは、従来の事業構造を大きく転換させることに成功するだろうか?「もちろんそんなことはない」と、AMDの戦略的パートナーシップ担当副社長兼AMD EMEA社長であるDarren Grasby氏は、Canalys EMEA Forum 2023の中でIntelの決定を非難し、同社の収益成長への新たな道は間違ったものだと述べた。
Grasby氏は、AMDは数年前、自社のチップ製造工場を放棄し、完全に「ファブレス」な道を選んだと述べた。こうして同社は、プロセッサ設計のロードマップにより多くの資金を投じることができ、それが最終的にAMDの「最先端技術」と成功したRyzen製品を今日の市場にもたらすことになったとしている。
Intelは、少なくとも強力なx86 CPUに関しては、常にチップ製造企業であった。Gelsinger CEOの時代には、台湾のファウンドリーTSMCが製造するArc GPUのような新しい製品ラインに、よりオープンなアプローチを採用した。Intelはまた、IFS構想のために新たな製造施設に多額の投資を行っており、米国(アリゾナ州、オハイオ州、ニューメキシコ州)と欧州(ドイツ)に新たな製造工場を建設している。
IFSについてGelsinger氏は最近、彼と同社は2年半で「合格点」をもらえると述べた。ファウンダリー構想が成功すれば、Intelは競合他社からも「ビジネスを受け入れ」なければならなくなる。つまり、「Intel製」チップは、NVIDIAやArm、さらにはAMDなどからも収益をもたらすことになる。
市場アナリストは最近、Intelが間もなく2つに分割され、研究開発部門が新たに設立される(実質的に独立した)チップ・ファウンドリー事業の顧客となる可能性があると推測した。IDCのシニアアナリスト、Andy Buss氏によると、チップファウンドリーの選択肢が増えることは、チップ市場全体にとって「良いこと」だという。TSMCは製造スペースが不足しており、AMDは自社のチップを製造するために、NVIDIA、Apple、その他の著名なテクノロジー企業と競争しなければならない。
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