Digitimesによると、AMDのCEO Lisa Su氏をはじめとする同社の幹部が、9月下旬から11月上旬にかけて台湾を訪問し、現地のパートナーと、今後の協力について話し合う予定と報じられている。AMDの経営陣の会談相手としては、TSMC、チップパッケージの専門家、大手PCメーカーなどが挙げられている。
Lisa Su CEOは今回の訪問で、TSMCのCEOであるCC Wei氏と今後の協力関係について話し合う予定だ。話題の中には、TSMCの製造ノード「N3 Plus」(おそらくN3P)とN2(2nmクラス)の製造技術の利用が含まれていると、DigiTimesはこの問題に詳しい情報源からの情報を引用して報じている。さらに、両社CEOは、直近で利用可能な、または利用可能になる技術について話し合い、今後の受注計画について議論する予定とのことだ。
AMDの近年の目覚ましい成功は、主にTSMCの保持する競争力の高いプロセス技術と、チップを大量生産することが出来る製造能力による所が大きい。AMDが今後も成功を収めるためには、TSMCにおける十分な割り当てと、ファウンドリの最新プロセス設計キット(PDK)への早期アクセスを確保する必要がある。TSMCは2025年後半にN2ノードでのチップ量産を開始する予定なので、AMDとしては、2026年以降の製品でのN2利用について話し始める時期であるといえる。
AMDの将来の成功は、TSMCの高度な半導体製造技術に加え、AMDがマルチチップレットチップパッケージング技術を広範囲に使用することから、高度なチップパッケージング技術に依存することになる。
そこで、AMDのLisa Su氏は、TSMC、Ase Technology、SPILとの先端パッケージング面での協力についても議論する予定とのことだ。DigiTimesによると、現在、AMDはすでにTSMCの3D SoIC(System on Integrated Chip)プラットフォーム、例えばCoWoS(Chip on Wafer on the substrate)パッケージング技術や、AseのFO-EB(Fan-out embedded Bridge)パッケージ方式を一部の製品に使っているとのことだ。しかし、今後、革新的なパッケージの利用は増える一方であり、そのためAMDは事前に十分な配分と価格の交渉が必要であるという。
長期的な計画に加えて、AMDの幹部は、ユニミクロン技術、Nan Ya PCB、Kinsus Interconnect Technologyなどのパートナーと、同社のCPUに使用する高性能プリント基板(PCB)の供給(AMDサーバーCPU出荷を抑制する要因の1つ)、およびこれらのPCBの味の素ビルドアップフィルム(ABF)の提供などのより現実的なことを議論するだろう。
最後に、AMDの幹部は、アメリカのチップ設計者と密接な関係を持つ台湾の大手PCメーカーであるAsusとAcer、および赤い会社のチップセットを開発するASMediaと会談する予定とのことだ。
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