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米国農務省(USDA)によって、実験室で培養された鶏肉の米国内での販売が認可された。これは、シンガポールに続き、世界で2番目の例となる。

植物由来の肉とは異なり、培養肉は動物から採取した細胞から作られる。細胞はバイオリアクターと呼ばれる大きなタンクの中で、成長に必要なすべての成分を添加した培地を与えられる。細胞が十分に成熟すると収穫され、ミンチ肉のようになり、ハンバーガーのパテやヒレ、ソーセージなど、人間が食べるための製品を作ることができる。

世界で約100の企業が栽培食肉製品の導入を競っているが、牛肉の風味と外観を再現するのは難しいことがわかっている。一方、鶏肉は比較的安価で模倣しやすい。水曜、米国農務省は、米国内の2社の実験用鶏肉を認可した。

米国農務省によって2社が承認を受ける

米国農務省は、Just Eat社の子会社であるGOOD Meat社とUPSIDE Foods社の2社の培養肉メーカーの製品を承認した。今年初め、GOOD Meatはシンガポールでの販売も承認され、高級レストランや屋台のメニューに採用されている。

今回の米国での承認は、数ヶ月前に米国食品医薬品局(FDA)から出された、実験室で培養された鶏肉が食用として安全であることを証明する「質問なし」の書簡に続くものである。

従来の食肉生産者たちは、これらの製品に “食肉”という言葉を使用しないようロビー活動を行ってきた。米国農務省はまだこれらの製品の表示に関する規制を作成中であるが、これらの製品を「実験室培養鶏肉」として承認した。USDAはまた、食肉処理場や食肉加工工場と同様に、これらの企業の食肉培養施設を検査することができる。

GOOD MeatとUPSIDE Foodsは、それぞれワシントンD.C.とサンフランシスコの有名シェフから国内初の注文を受けている。

UPSIDE Foodsのプレスリリースによると、同社は「99%以上が培養鶏細胞であるホールテクスチャー・チキン製品で市場デビュー」する。一方、GOOD Meatでは、レストラン経営者のJosé Andrésシェフに販売する培養鶏の最初のロットの生産を開始した。

規模拡大の期待が高まる

世界最大の経済圏の消費者にアクセスできるようになったことで、養殖肉企業は生産設備を拡大し、製造コストを下げることに集中できるようになった。

細胞培養に使用される培地は非常に高価で、最終製品のコストを上昇させる。さらに、培地には動物由来の製品が含まれることもあり、生産方法の持続可能性に疑問が生じる。培養食肉企業が規模を拡大する際には、そのアプローチの利点が実際の利点につながることを実証する必要もある。

養殖鶏肉が小売店の棚に並ぶようになるまでには、少なくとも数年かかるだろう。それでも、世界中で消費される3億トンの食肉のほんの一部に過ぎない。

今回の認可は間違いなく良いニュースだが、人間の消費に変化をもたらすまでにはまだまだ長い道のりがある。


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