オランダの半導体製造装置大手ASMLは、韓国Samsungと提携して韓国に初の海外研究所を建設することで合意した。
これは、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領のオランダ公式訪問に合わせて発表された。投資総額は1兆ウォン(1100億円)となり、「次世代EUV(極端紫外線)リソグラフィ装置を使った最先端の半導体加工技術の開発」に取り組む施設となる予定だ。また、ASMLは、世界第2位のDRAMチップメーカーである韓国のSK hynixと協力し、水素ガスリサイクル技術を通じてEUVの電力使用量とコストを削減するとしている。
「ASMLが主導する技術革新は、世界中で第4次産業革命の強力な推進力となっており、ASMLやASMといったオランダの半導体企業は、韓国で生産、研究開発、人材育成のための新しい施設を建設している」と、韓国大統領府は発表した。
尹大統領はフェルドホーフェンにあるASML本社を訪問し、安全なクリーンルームの見学を許可されたと伝えられている。韓国メディアは、Samsung Electoronicsの李在鎔(イ・ジェヨン)会長とSKの崔泰源(チェ・テウォン)会長もASMLを訪問したと報じている。
韓国政府関係者は、この取引をオランダとの「半導体同盟」という文脈でとらえ、協業はそれぞれの国の世界的リーダーとしての地位を反映したものであるとしている。尹大統領はAFPに対し、半導体は「韓国とオランダの協力の要」だと語り、「オランダは、半導体を製造するリソグラフィ装置を製造するASMLの本拠地であり、両国は長年にわたり、”模範的な方法で”協力してきました。これは韓国とオランダの半導体同盟にとって重要な転換点になるだろう」と述べている。
この同盟はまた、シリコンのサプライチェーンが弾力性を持ち、可能な限り中華人民共和国とつながらないようにするための、米国主導の連合構築努力も反映している。
ASMLのマシンは、最先端半導体の製造に不可欠である。米国は、ASMLの最先端マシンが、国家安全保障を脅かす技術や兵器を開発する中国軍に役立っていることを恐れている。歴代のアメリカ政権は、アメリカ企業が製造した技術が中国に届かないよう輸出規制を課し、同盟国の主要サプライヤーにも同様の措置を取らせるよう努力してきた。そして今、そのうちの2カ国が高度な技術を開発するために手を組んだ。
一方、中国は制裁の効果がないかのように、徐々にスペックをあげたチップを作り続けている。2023年9月、Huaweiは7nmプロセスのプロセッサを搭載したスマートフォンを発表した。今週、中国メディアはHuaweiが5nmのラップトップ・チップをデビューさせ、さらに優れた成果を上げたと報じている。
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