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iPhoneで三脚を使わず、1カ所に留まらなくてもタイムラプス撮影ができるアプリ「ReCapture」が登場

例えば、ビルの工事現場を毎日撮影して、その完成までを数分にまとめたようなタイムラプス動画をご覧になった事があるだろうか。数ヶ月の年月が数分に凝縮されたこういった動画は素晴らしいが、非常に手間がかかる。多くが、三脚を用いて、その場からずっと撮影機器を動かさずに撮影することで実現するのだ。

同様の事がもっと気軽に出来ないかと考えたことはないだろうか。この度、コーネル大学の研究者が、研究の成果としてリリースした新しいアプリを使えば、スマートフォンをずっと固定しておかなくても、気が向いたときに撮影するような感覚で、タイムラプス動画を撮影できるのだ。

通常、タイムラプスの撮影は、カメラを三脚などに固定し、一定時間ごとに静止画を撮影していき、最終的にそれを組み合わせることで、数時間、数日、数週間、あるいはそれ以上の時間をかけて撮影されたものを、数秒から数分の間に凝縮させて作製される。

ここで滑らかな映像を作り上げるためには、記録期間中カメラを動かすことは出来ない。つまり、撮影者はずっとカメラと一緒にいるか、カメラを設置し続けなければならないのだ。そして、撮影中はスマートフォンは他の事に使う事も出来ない。中々敷居の高い物だ。

だが、今回新たな拡張現実アプリ「ReCapture」を用いると、そういった問題が解消される。

コーネル大学の研究チームが開発したこのiOSアプリは、iPhoneを固定しておかなくても、被写体について、毎回同じ視点から撮ることを可能にする。撮影するものによって、アプリのモードは3つに分かれる。

1番基本的な、「Overlay(オーバーレイモード)」は、最初にご紹介したような、大きな被写体、例えば景色などの、極端な位置合わせを必要としない場合に適している。このモードを利用する場合、まず撮りたい被写体を撮影すると、GPSが記録され、アプリでは次に同じ場所を訪れた時に撮影する場所を教えてくれ、ファインダースクリーンに前回撮影した写真の半透明バージョンがオーバーレイ表示される。ユーザーは、そのオーバーレイ画像を見ながら、現在の景色を合わせて撮影するだけでいいのだ。

接写の場合は、「3D Capture(3Dキャプチャー)」モードを選択する。3Dキャプチャーモードでは、オーバーレイモードに加えて、iPhoneに搭載されたIMU(慣性計測装置)を利用して、3次元空間での位置を測定する。そして、画面上に矢印を表示することで、ユーザーの正確な位置決めをガイドしてくれるのだ。

最後の、「Lightfield(ライトフィールド)」モードは、オフラインでシーンを3Dで再構築するために使用できるさまざまな画像を収集するものとなる。

使用するモードに関わらず、このアプリでは複数のタイムラプス動画を同時に撮影することができ、ユーザーは様々な場所を行き来しながら撮影することができるのだ。

ReCaptureはApp Storeから無料で入手できる。実際の使い方は以下の動画をご覧になるとわかりやすいかも知れない。

研究の要旨

本発表では、ARを用いたガイダンスにより、携帯端末でのタイムラプス撮影を支援するシステム「ReCapture」を紹介する。ReCaptureは、ユーザが撮影した画像の正確な位置に繰り返し誘導することで、カメラをその場に置いたまま1フレームずつタイムラプスビデオを撮影することができる。計算機によるリフォトグラフィーに関するこれまでの研究を基に、我々は3つの異なるガイダンスモードを組み合わせることで、一般的な環境でのハンドヘルドタイムラプス撮影を並行して行うことを可能にした。本システムは、1年間の開発期間中に撮影した様々な被写体やシーンにおいて、その汎用性を実証し、非構造化ハンドヘルドタイムラプスデータの様々な視覚化について検討する。

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masapoco

TEXAL管理人。中学生の時にWindows95を使っていたくらいの年齢。大学では物理を専攻していたこともあり、物理・宇宙関係の話題が得意だが、テクノロジー関係の話題も大好き。最近は半導体関連に特に興味あり。アニメ・ゲーム・文学も好き。最近の推しは、アニメ『サマータイムレンダ』

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