SMIC が 14nmノードを量産、5nm と 7nm の開発についても言及

中国国営メディアのGlobal Timesは、Semiconductor Manufacturing International Co.(SMIC)が、中国・上海近郊のFab SN1で14nmクラスの製造プロセスによるチップの量産を開始したことを発表した。報道では、関係者の話を引用し、同社が更にその先の先端チップの開発に向けて、7nmと5nmクラスのノードを進めているとも報じている。

14nmが登場、N+1も登場

SMICは、2020 年初頭からN+1テクノロジーについて何度か説明していた。これは、DUV(深紫外線)リソグラフィツールに依存する TSMC の N7 ノードに代わる低コストの代替品であるとしており、N+1 は、SMIC の 14nm を使用して実装された同様のチップと比較して、消費電力を 57% 削減し、パフォーマンスを 20% 向上させ、ロジック領域を最大 55% ~ 63% (選択構造の場合) 削減することを目指しているという。

TechInsightsの最近の調査結果では、SMICのN+1のFin Pitch (FP), Contacted Poly Pitch (CPP), Metal 2 Pitch (M2P) のサイズはTSMCのN10製造プロセスと同じか、より大きい(FP)ことが示されている。これは、TSMCのN10に似た技術をルールを緩和したものと思われるがそうではないようだ。広範なDTCO(Design Technology Co-Optimization)機能と高密度ロジックライブラリにより、ロジックトランジスタ密度は8,900万トランジスタ/平方ミリメートル(89MT/mm^2)と、TSMCのN7やIntelの10nmに匹敵し、N+1は7nmクラスの有力な代替プロセスとなる。

SMICは、2021年7月からMinerVa Semiconductorのビットコインマイニングチップを開示することなく生産している。同社はDUV装置を使って、その小さな〜25Wのマイニングチップを作っていた。それらは、商用アプリケーションのための許容可能な収率を達成するのに十分なほど単純であり、プロセス性能、電力、および欠陥密度(少なくともロジックセルに関する限り)についてより理解するための手段として機能するものである。

「中国における7nmチップの製造も予想以上に早く進んでいます」と、技術アナリストのXiang Ligang氏は国営のGlobal Timesに報告している。

SMICのN+1が認定され、少なくとも限定生産ができるようになったことで、米国政府の制裁で調達できないEUV(極端紫外線)製造装置がなくても、同社が生きていけることが明らかになった。ただし、N+1ノードを用いて大型で複雑なシステムオンチップを生産できるかどうかは未知数である。

ロジックトランジスタ密度の観点からは、SMICのN+1はTSMCのN7の代替品となり得る。しかし、世界最大の受託チップメーカーTSMCは、すでにはるかに高度な製造技術を持っており、高度に複雑なCPUや演算GPU、さまざまな高度なデータセンターグレードのチップの開発者にアピールすることができる。そのため、N+1で知名度の高い顧客を獲得することは、SMICにとって難しいことかもしれない。SMICの工場で使われている多くのツールは米国製で、Huaweiは厳しい制裁下にあるため、HuaweiのHiSiliconにサービスを提供するには、米国から輸出許可を取得する必要があることを忘れてはならない。

N+2はSMICの5nm?

SMICは、2020年のN+2技術について簡単に言及した。こちらは14nmノードからさらに進化したものだが、中国のアナリストは、「7nmクラス」とされるN+1より一歩進んでいることから、「5nmクラス」の技術と位置付けているようである。しかし、193nmのArFレーザーを用いたDUV装置では解像度に限界があり、また回路のクリティカルディメンションを下げるためにマルチパターニングを多用することが歩留まりに影響を与えることが知られている。

SMICは2年以上前からN+2ノードに取り組んでいるため、この製造プロセスが実現するのは2023年頃になると考えるのが妥当であろう。しかし、2020年末に米国政府の事業体リストに入った後、SMICはその成果に関する発表を一切控えている。同社は、異種集積を可能にし、10nm以下の技術に必要な装置を調達できないことを補うため、より高度なチップ実装技術の開発に注力すると述べるにとどめた。

とはいえ、国営メディアがSMICの14nmチップ量産に関するかなり詳細な報道で、SMICの「5nm」技術を明らかにしたことは、非常に興味深いことである。

実は、SMICは2019年末から、同社のSN1ファブで14nmクラスの製造技術を使ったチップを生産している。製品の1つはHuaweiのHiSilicon Kirin 710A。それでも、形式的には量産に対応したプロセスだが、実際の数量は非常に少なく、ある時期からこのノードの収益への貢献度を報告しなくなり、28nmノードと一つのカテゴリーに統合されたが、これも同社の収益に大きく貢献したとは言い難い。

上海市経済デジタル化委員会のWu Jincheng主任は、SMICが14nmチップの量産を開始したことを改めて強調した。Global Timesによると、彼は水曜日の記者会見でより高度なノードについて何も言及せず、N+1(7nmクラス)およびN+2(5nmクラス)の製造プロセスについて語った「独立した」専門家を引き合いに出してきたという。

すべての関係者はすでにSMICの14nm能力について知っているので、上海からの国営メディアの報道は、米国政府が急速に発展する中国半導体部門に対する規制を強化する計画の中で、同社の「5nm」の意図を再度強調する複雑な方法のように見える。

「上海の14nmチップの産業クラスターが完成したことで、7nmと5nmプロセスのより高度なプロジェクトが加速されるでしょう」と、戦略研究員のChen Jia氏はGlobal Timesとの対談で述べている。

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この記事を書いた人

TEXAL管理人。学校の授業でMS-DOSを使っていたくらいの年代。Windows95の登場で衝撃を受け、テクノロジー業界に興味を持つ。以来ガジェット・ゲーム情報を追い続けてうん十年。大学では物理を専攻していたこともあり、物理・宇宙関係の話題も大好き。

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