米下院は、中国の親会社であるByteDance社がTikTokを売却しない限り、このアプリを米国内で禁止する法案を賛成票352対反対票65で可決した。CNNの報道によれば、共和党15人、民主党50人が反対票を投じたとのことだ。
法案が成立した場合、TikTokの親会社であるByteDanceは、法案発効から165日後にソーシャルネットワークの権益を売却する必要がある。ByteDance社がこれを行わなかった場合、TikTokは米国のアプリストアから禁止される可能性がある。
この法案は、中国を拠点とするByteDanceが米国ユーザーから収集したデータを中国政府に転送する可能性があると多くの議員が考えていることから作成された。ByteDanceは、中国政府にデータを送信することはないと繰り返し否定しており、この特定の法案は米国でTikTokを禁止するためのものだと呼んでいる。
この法案は、とりあえずは下院を通過したが、次に上院を通過しなければならず、こちらはまだ関連法案が提出すらされていないため、やっとスタートラインに立つという状況だ。そしてそのハードルは高い。また、たとえ法案が提出されたとしても、上院の規則により、それを可決するのに十分な支持(100人中60人)を維持するのが難しくなる可能性がある。たった1人の上院議員が法案を保留することで、法案の迅速な審議が妨げられるのだ。
この法案の提案者であるCathy McMorris Rodgers下院エネルギー・商業委員長は、「中国のような外国の敵対勢力は、現代における最大の国家安全保障上の脅威をもたらす。TikTokのようなアプリケーションによって、これらの国々はアメリカ人を標的にし、監視し、操作することができる」と述べている。提案された法案は、「米国の敵対国である外国が管理するアプリケーションで、国家安全保障上の明白なリスクをもたらすものを禁止することで、この慣行を終わらせる」ものだとしている。
また、McMorris Rodgers議員は「我々の目標は、この法案を大統領の机に届けることだ」と明言した。Joe Biden大統領はすでに、両院で法案が可決されれば、「Protecting Americans from Foreign Adversary Controlled Applications Act(米国人を外国敵対者管理アプリケーションから保護する法案)」に署名すると述べている。上院が事実上のハードルになるわけだ。
Rand Paul上院議員は、その可能性を示唆している。彼は下院での採決に先立ち、The Washington Post紙に対し、憲法違反と思われる法案は阻止すると述べ、議会は「(1億7000万人の)アメリカ人の憲法修正第1条の権利を奪おうとしてはならない」と語っている。
また、上院議員たちはCNNに対し、TikTokユーザーの市民的自由を尊重するような道を上院で模索する前に、下院で何が起こるか様子を見ていると語った。
この法案に賛成する議員らは、この法案は単純な禁止ではなく、TikTokに選択肢を与えるものだとしている:ByteDanceの中国に拠点を置くオーナーから手を引くか、TikTokが米国で遮断されるという結果に直面するかだと。
一方、TikTokを買収しようとする米国企業の動きも報じられている。Activision Blizzardの元CEOであるBobby Kotick氏は、このソーシャルネットワークを買収しようとOpenAIのSam Altman氏らに働きかけ、パートナーを集めようとしていると報じられている。
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