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TMSCの研究開発担当上級副社長である、Yuh-Jier Mii氏がIEEE Spectrumに語った話によると、チップ不足は今後数年は続くだろうとのことだ。

Yuh-Jier Mii氏は1994年よりTSMCに務めており、およそ30年に渡りチップ製造の最前線で指揮を執ってきた人物だ。

90nmウェハーの製造開始とともに研究開発部門に異動したMii氏は、製造プロセスの微細化が進む中で、企業が直面する困難について語っている。Mii氏は、Appleの次世代チップであるM2やM3などの製品向けに今年後半に生産開始が予定されている同社の3nmノードを担当しており、更には、すでにTSMCの2nm計画についてチームと協力しているという。

「我々は原子レベルに近づいている」とMii氏はIEEEに語っている。「以前は、プロセスを微調整することで次世代ノードを実現できたが、今は世代ごとに、トランジスタアーキテクチャ、材料、プロセス、ツールなどの面で全く新しい方法を見つけなければならない」と述べている。「以前は微細化はほとんどがOptical Shrinkで実現可能でしたが、ことはもはやそう単純ではありません」これまでにない技術的革新が求められているとのことだ。

興味深いことに、3nmノードがTSMCが5nmで生産を増強してから2年半後の今になって製造開始となったことから、将来のタイムテーブルを垣間見ることができる。現在、NvidiaとAMDの両社は、次世代GPUにTSMCの5nmプロセスを使用しており、Intelも同社の6nmプロセスで新しいArc GPUを製造しており、TSMCの顧客となっている。Intelは、2023年に予定されているMeteor Lake GPUのために、3nmの製造も期待しているという。

インタビューの中で、Mii氏はチップ不足の原因は「需要と供給」のバランスの崩れであると単純明快な説明をしている。

新型コロナウイルス感染症の大流行が世界経済を混乱させたこともあるが、日常生活における電子機器の普及が、半導体の需要を急増させていたにもかかわらず、業界が需要拡大の兆しを見誤っていたことが原因だという。

業界はチップ不足を解消するために膨大な資金を投じて生産能力を増強しているが、新しい工場を稼働させるには2〜3年かかるとMii氏は見ている。

ただし、2年前と比べれば将来の需要に対する見通しが立つようになっているとのことから、今後徐々に解消になっていくのではないかとも、Mii氏は考えているようだ。

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