コインを上に投げ、表か裏が出る確率は均等であることは誰もが知っている。だが、新たな実験によると、ある特定の状況下では、この確率は五分五分にならず、どちらかに偏ってしまうことが分かった。
「コインの裏表が広く普及しているにもかかわらず、コインの裏表の結果がランダムなものでないという考えについて、立ち止まって考える人はほとんどいません」と研究者たちは書いている。
この実験を担当した国際的な研究者チームは、合計350,757枚のコインをひっくり返した平均的な結果を分析したところ、2007年に数学者のPersi Diaconisによって提唱された理論が裏付けられたとのことだ。
「コイン投げの標準モデルは、Persi Diaconisによって拡張された。彼は、人々が普通のコインを投げるときに、わずかな“歳差運動”(またはぐらつき)、つまりコインの軌道全体にわたる回転軸の方向の変化が生じることを提案した。Diaconisのモデルによれば、歳差運動によって、コインは最初の面を上にして空中にある時間が長くなる。その結果、コインは最初と同じ面に着地する確率が高くなる(すなわち、”同一面バイアス”)」と、研究者らは述べている。
Diaconisは、より少ない理想的な数のコイン投げを記録し、分析した結果、コインは約51%の確率で投げられたのと同じ側に着地することを発見した。新しい研究チームは48人を集め、46種類の通貨から350,757枚のコインを投げさせたところ、全体としてコインが投げられたのと同じ側に出る確率は50.8%であることがわかった。
これは決して小さなメリットではない。例えば、コイン投げ1ドル賭けて、当たれば2ドル取れると期待した場合、1,000回のトスで平均19ドル儲かることになる。これは、5人のプレーヤーとディーラーがいるブラックジャックでは得られないアドバンテージだ。
研究チームはまた、賭け事や高額の賞金を賭けた意思決定では、コインの出目は常に隠すべきだと指摘している。開始時のコインの表がランダム化されたコイントスでは、研究者たちは、表と裏が均等に分かれていることにも気付いたとのことだ。
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