Samsungは将来のチップに裏面給電方式 (Back Side Power Delivery Network: BS-PDN)を採用し、従来のプロセスを大幅に改善することを明らかにした。
Samsungは、日本で開催されたVLSIシンポジウムで、新しいBS-PDN方式の指標を公開した。電力供給ネットワーク(PDN)は、チップ・ダイに最も効率的に電圧を供給することを目的として策定される。形式的には、メーカーはウェハーの前面からの供給を採用しており、この方法は仕事をする一方で、電力密度の低下という形でトレードオフをもたらし、最終的には性能の低下につながる。
新しいBS-PDN方式はまだファウンダリーでは採用されておらず、Samsungはこの革新的な方式の結果を公表した最初の企業である。同社によると、BS-PDN従来の方法と比較して面積を14.8%削減するという。面積の削減は、トランジスターのような性能の向上に繋がるものものをダイに追加する余地を増やし、全体的な性能向上につながる。
Samsungはまた、ワイヤーの長さを9.2%短縮したことも報告している。これは要約すると、長さの短縮によって抵抗が減少し、より大きな電流を流すことができるようになり、電力供給が改善されるとともに電力損失が最小限に抑えられる事に繋がる。
BS-PDN方式を公開したのはSamsungが初めてではなく、6月にはIntelも「PowerVia」と名付けてこの方式に関する説明会を開催している。Intelは、この新方式をIntel 20Aノードに統合する計画を発表し、90%のチップ利用率を明らかにした。同社は、”PowerVia”はウェハーの裏面から電力を供給し、連続伝送を実現することで、シリコン・アーキテクチャに見られるインターコネクト内のボトルネック問題を解決すると述べている。Intelは、2024年までに発売予定のArrow Lake CPUにこの新方式を採用する見込みだ。
Samsungは、BS-PDNをいつ、どのノードで実装する予定かは明らかにしていない。同社は現在、第2世代3nmクラスのGAAランジスタ・ベースのSF3製造技術に磨きをかけており、2024年の量産を目指している。また、2025年にはSF3Pと2nmクラスのSF2が予定されている。Samsungが来年、SF3に裏面パワーレールを採用する可能性は低いが、2025年にはSF3PまたはSF2にBS-PDNの実装を検討する可能性がある。
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