理研、QuantinuumとIBMに新たな量子コンピュータを発注へ

masapoco
投稿日 2023年10月12日 10:20
quantinuum

日本の国立理化学研究所は最近、富士通と開発する2台目の量子コンピュータとなるの導入を発表したばかりであるが、今後さらに2台の新しい量子コンピュータを購入する方向だ。

官報によれば、理研は今後、IBMから超伝導デバイスを、Quantinuumからイオントラップ型量子コンピュータを購入する契約を結んだと発表されている。これにより、日本は量子技術を社会や経済全体に広め、世界の量子リーダーとなるという国の計画を強化している。

IBMは最近、その超伝導プロセッサがゲートベースの計算において最も多くの量子ビット(qubits)を達成したと発表している。一方で、Quantinuumは、初めて、フォールトトレラントな量子アルゴリズムを実行する3つの論理エンコードされた量子ビットを公表している。

官報では、国立研究開発法人理化学研究所は、Quantinuumから専用アクセス権を持つイオントラップ型汎用量子コンピュータと、IBMから超伝導デバイスを購入する予定である。契約は2023年11月1日に締結される予定である。

イオントラップ型量子コンピュータは、量子ビットとしてイオンを使用し、それらを電磁場で空間に浮かべ、レーザービームでその量子状態を操作して計算を行うシステムである。一方、超伝導量子コンピュータは、電流が抵抗なく流れる超伝導回路を使用して、量子ビットを作成および操作する。

最近、富士通と理研は、64量子ビットの超伝導量子コンピュータの導入を発表した。これは40量子ビットの量子コンピュータシミュレータと統合する予定であり、これによりノイズによるエラーを含む量子コンピュータを用いた計算結果とノイズを含まないシミュレーションによる計算結果の比較などが容易に可能になるという。また、日本政府は今春、量子コンピューティングのクラウドプラットフォームを通じた拡大を支援するために、42億円を投資すると発表している。

この追加の量子コンピュータの調達は、日本が量子コンピューティングのリーダーになるという野心を本気で考えている証拠であり、2022年に発表された量子戦略の更新に基づいて行動を起こしている。2022年4月には、日本政府は「量子未来社会のビジョン」という新しい戦略を策定し、量子技術を社会経済システム全体に組み込むとともに、持続可能性のための機会を創出することを目指している。


Sources



この記事が面白かったら是非シェアをお願いします!


  • ngVLA antenna structure mtex resize 1000
    次の記事

    次世代超大型アレイの新アンテナを覗いてみよう

    2023年10月12日 13:43
  • 前の記事

    人間の脳が老化する仕組みと理由を解明する新しいAIモデル

    2023年10月12日 10:02
    human brain

スポンサーリンク


この記事を書いた人
masapoco

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

おすすめ記事

  • Landmark IBM error correction paper published on the cover of Nature 75b1203a62

    IBM、画期的なエラー訂正技術を考案、実用的な量子コンピュータに大きく近付く

  • IBM Storage banner

    IBMの新たなSSDは常時AI監視機能でランサムウェアを1分以内に検出できる

  • quantinuum

    量子コンピュータへの応用が期待される理論上の物質の新たな相が確認された

  • 4960135107578d6a564d5bee03e5cdb6

    史上初、時間結晶を用いて量子コンピュータを制御し安定性を高める事に成功

  • fc39f96786dd592fc77c942cb8ba1285

    革新的なアルゴリズムにより、古典コンピュータが量子コンピュータを超えることが可能に

今読まれている記事