携帯ゲーム機市場は任天堂の独擅場であり、Nintendo Switchのその内部に目を向けてみれば、これはそのままチップ部門についてはAMDが支配的である事を意味する。そしてAMDは、SonyのPlayStation 5や、MicrosoftのXboxのSoCも製造しており、近年台頭してきたValveのSteam DeckについてもAMDのRyzenが用いられているなど、そのシェアは圧倒的だ。だが、この状況が今後は変わるかもしれない。
業界の情報通Revegnus氏のツイートによると、QualcommのSVPであるAlex Katouzian氏が、Qualcommがどうやら任天堂やSonyと、競合他社に近いかもしれないハードウェアの開発について協議しているようだ、と伝えている。この動きがどのように展開されるかは不明だが、うがった見方をすれば、Qualcommが携帯ゲーム機について、両社と協議をしている可能性も考えられる。例えば、そこに搭載されるSoCを、AMDからQualcommに切り替えることなどだ。
実際、Qualcommが提供するスマートフォン向けSoC「Snapdragon」は、それに搭載されるGPU「Adreno」に関して言えば、現在、AndroidスマートフォンのGPUとして最速であり、AppleのA16 Bionicと競っている。その性能は優にNintendo Switchのグラフィックレベルを超えており、これを利用した携帯ゲーム機が登場したとしてもおかしくはない。
更に言えば、携帯ゲーム機には放熱スペースがあるため、Qualcommは筐体にスマートフォン用SoCを搭載して終わりとはしないかも知れない。どのようなシリコンを使用するにしても、それは携帯ゲーム機用に開発され、Androidのフラッグシップ機よりも高い性能を発揮する可能性もある。
特にQualcommは、ノートブックコンピュータに搭載されることを想定した12コア構成のチップセット「Snapdragon 8cx Gen 4」にも取り組んでいると言われている。これは、以前同社が買収したNuviaの技術を用いた画期的な物になると伝えられており、一説ではAppleのMチップを超える性能をもたらすとも言われており、同社の技術力の高さを示す物となるかもしれない。
いずれにせよ、積極的にその裾野を広げようとするQualcommの動きから今後も目が離せないだろう。
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