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健康を維持するために、私たち人間は、適切な水分の摂取が推奨されている。これはこれまでに多くの研究が行われ、実際に科学的な根拠のある事でもあるが、新たな研究によると、継続的に十分な水分の摂取を続けることが、長生きに繋がることが示唆されている。

メリーランド州の国立心肺血液研究所(NHLBI)の研究員、Natalia Dmitrieva氏によると、「この研究結果は、適切な水分補給が老化を遅らせ、病気のない人生を延ばすことを示唆しています」とのことだ。。

この研究は、11,255人の成人を対象に行われた、25年間に渡る長期的な調査の結果に基づく物である。

水分摂取量については、血清中のナトリウム濃度を指標とした。通常、水をたくさん飲めば飲むほど、血液中のナトリウム濃度は低くなるのだ。

これまでの研究で、血液中のナトリウム濃度が高くなると心不全のリスクが高まるという関連性が注目されている。人の血液中のナトリウム濃度の正常範囲は、通常、1リットル当たり125〜146ミリ当量(mEq/L)である。この研究では、ナトリウムレベルが高い血清サンプルは、生物学的健康と老化に関する最大15種類の指標レベルも高くなる傾向があった

例えば、ナトリウム濃度が142mEq/L以上の人は、標準的な範囲の人と比較して、生物学的な年代が高齢と判断される確率が10~15%高かった。また、心不全、脳卒中、心房細動、慢性肺疾患、糖尿病、認知症などの慢性疾患の発症リスクも64%高かった

この研究の著者らは、血液中のナトリウム濃度を測定することで、医師からのアドバイスが得られる可能性を示唆している。水分摂取に関して危険水域にある人は、飲むだけでなく、ジュース、野菜、果物などを通して、より多くの水を体内に取り入れるような対策をとることができるだろう。

NHLBIの上級研究員であるManfred Boehm氏は、「目標は、患者が十分な水分を摂取していることを確認する一方で、水分喪失につながる可能性のある薬物などの要因を評価することです。医師はまた、心不全のために水分摂取を制限するなど、患者の現在の治療計画に従う必要があるかもしれません。」

研究者は、年齢、人種、生物学的性別などの変数を制御し、糖尿病などの疾患や喫煙などナトリウム濃度に影響を与える習慣を持つ研究参加者を除外したが、水分摂取は血中のナトリウム濃度に影響を与える唯一の要因ではない事にも注意が必要だ。

また、この研究は、脱水症状による健康リスクと、むしろ水分補給によるプラス効果に焦点を当てたものであり、もちろんこの2つはある程度関連していることを指摘しておく必要がある。

現在、世界人口の約半数が1日の推奨摂取量(通常、1日約1.5リットルから)を下回っている。その理由はさまざまだが、清潔な飲料水へのアクセスは特に重要だ。すべての地域で清潔な飲料水を身近に確保することは、すべての人の健康を守るための最優先事項であるはずだ。

選択肢の豊富な人々にとっては、この割合を増やすことで、病気や死亡のリスクに大きな違いが生まれる可能性がある。

「世界的に見れば、これは大きなインパクトがあります。体内水分量の減少は、血清ナトリウムを増加させる最も一般的な要因であり、この結果は、十分な水分補給をすることが、老化プロセスを遅らせ、慢性疾患を予防または遅延させることを示唆している理由です。」と、Dmitrieva氏は述べている。


論文

参考文献

研究の要旨

ある人は他の人より早く老化し、ある人は病気なしで老後を迎え、ある人は加齢に伴う慢性疾患を発症することが知られている。急速に進む高齢化と慢性疾患の蔓延により、老化を遅らせるメカニズムの発見と予防策の実施が、生物医学研究と公衆衛生の新たな課題となっている。マウスでは、生涯にわたる水分の制限は、寿命を縮め、退行性変化を促進する。ここでは、最適な水分補給がヒトの老化プロセスを遅らせるかもしれないという仮説を検証している。

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