MediaTekは来週にもDimensity 9300を発表すると予想されている。大体こうした時期には発表前のチップセットがGeekbench 6ベンチマークテストに登場するものだが、今回Dimensity 9300も例に漏れずその性能の一端を披露している。次期チップセットは前世代チップセットと比較して目覚ましい性能向上を示しているが、より強力なCPUクラスタを搭載していても、AppleのA17 Proを打ち負かすことはできなかったようだ。
最新のDimensity 9300でもA17 Proには敵わず
Dimensity 9300は、16GBのRAMと8コアのCPUクラスターを搭載した未発表のOPPO PHZ110でテストされたようで、最高性能のコアのクロックスピードは3.25GHzだった。Geekbench 6では、このSoCはシングルコアで2,139、マルチコアで7,110のスコアを獲得した。今年のDimensity 9300は、電力効率の高いCortex-A520コアを搭載していないため、Cortex-X4とCortex-A720の組み合わせがマルチコアスコアの向上に貢献しそうだが、今回の結果ではまだそれは見て取れない。
電力効率を半ば諦めつつ性能に振った構成であっても、Dimensity 9300はA17 Proには敵わず、シングルコアのテストでは後者が36.3%のリードを、マルチコアではわずか1.7%のリードを許してしまっている。マルチコアのカテゴリーでは両SoCは同等と考えることができるが、シングルコアのカテゴリーではAppleのAシリーズがこれまでも著しく優れた性能を発揮してきたところであり、より高クロックのCortex-X4でも今回のA17 Proには勝てなかったようだ。
もちろん、Dimensity 9300を搭載した市販ユニットが登場した際は若干性能が向上するかもしれない。しかしMediaTekの最新チップセットは主にCortex-X4コアを使用しているため、今回チップの消費電力が高くなるため、TSMCのN4Pプロセスがエネルギー効率に優れていると言われているとはいえ、適切な冷却ソリューションを採用していない場合SoCの温度が上昇してサーマルスロットリングが発生し、性能が低下している可能性があるだろう。
Source
- Geekbench 6: OPPO PHZ110
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