あなたの好奇心を刺激する、テックと科学の総合ニュースサイト

MediaTekは、ハイエンドAndroidスマートフォン向けの新たな「Dimensity 9300」プロセッサを発表し、SamsungのExynos 2400や、QualcommのSnapdragon 8 Gen 3と競合することになる。しかし、MediaTekの新たなチップセットはこれら競合とは明確に異なる特徴を持っている。Dimensity 9300は、高性能CPUコアのみを搭載した特異なチップセットなのだ。

高性能CPUコアのみのパフォーマンスに振り切った構成

Dimensity 9300 infographic architecture
(Credit: MediaTek)

MediaTek Dimensity 9300は、TSMCの第3世代4nmプロセスを使用して製造された、同社のこれまでで最も強力なスマートフォン用プロセッサーとなる。他のスマートフォン用チップとは異なり、Dimensity 9300は「All Big Core」設計を採用しており、4つのCortex-X4 CPUコア(最大3.25GHz)と4つのCortex-A720 CPUコア(クロック周波数2GHz)を搭載している。ただし、4つのCortex-X4 CPUコアは2つのクラスターに分かれており、1つのCortex-X4 CPUコア(最大クロック3.25GHz)と3つのCortex-X4 CPUコア(最大クロック2.85GHz)となっている。8MBのL3キャッシュと10MBのシステムレベルキャッシュを搭載している。

Dimensity 9300Dimensity 9200
CPU構成1x Cortex-X4 @ 3.25GHz
3x Cortex-X4 @ 2.85GHz
4x Cortex-A720 @ 2.0GHz
1x Cortex-X3 @ 3.05GHz
3x Cortex-A715 @ 2.85GHz
4x Cortex-A510 @ 1.8GHz
GPUArm Immortalis-G720
12コア
ハードウェアレイトレーシング
Arm Immortalis-G715
11コア
ハードウェアレイトレーシング
キャッシュ8MB L3
10MB システムレベルキャッシュ
8MB L3
6MB システムレベルキャッシュ
AIAPU 790
(INT4 サポートとハードウェア圧縮の追加)
APU 690
RAMLPDDR5T @ 9600MbpsLPDDR5X @ 8333Mbps
ストレージUFS 4.0 with MCQUFS 4.0 with MCQ
4G/5GモデムLTE/5G (統合)
Sub6GHz およびミリ波
下り最大 7,900Mbps
M80 ベースの LTE/5G (統合)
Sub6GHz およびミリ波
下り最大 7,900Mbps
その他のネットワークBluetooth 5.X
Wi-Fi 7
Bluetooth 5.3
Wi-Fi 7  対応
製造プロセスTSMC 4nm+ N4PTSMC 4nm N4P

これにより、Dimensity 9300は、シングルコアワークロードで15%、マルチコアタスクで40%、グラフィックス性能で46%と、Dimensity 9200と比較して大きな性能向上を果たしている。

効率の面でも、Dimensity 9300は、Dimensity 9200と同等のパフォーマンスを維持しながら、最大33%優れた効率を提供するとのことだ。

MediaTek Dimensity 9300 vs 9200 CPU 1200w 361h.jpg
(Credit: MediaTek)

GPUには、Arm Immortalis G720 GPUが採用されている。同社は、このGPUは従来のものより46%高速であるとしている。

WQHD+ディスプレイを180Hzで、または4K解像度の画面を最大120Hzで駆動でき、グローバル・イルミネーション効果を備えたハードウェアアクセラレーションによるレイトレーシングをサポートするなど、最新のGPUに期待される最新の機能をすべて搭載している。このGPUがQualcommのSnapdragon 8 Gen 3に搭載されているAdrenoとどのように比較されるのか興味深い。

arm immortalis efficient gpus
(Credit: Arm)

このチップセットは、LPDDR5T 9600Mbps DRAMとUFS 4.0ストレージに対応している。また、MediaTek APU 790を搭載し、INT4とハードウェア圧縮のサポートを追加したオンデバイスの生成AI機能を提供する。

APU 790 AIプロセッサーは、消費電力を45%削減しながら整数演算性能を2倍に向上させた。実際の使用では、Stable Diffusionによる画像生成などの処理を1秒未満で実行できることになり、これは人間がプロンプトを入力するよりも速い。AIプロセッサーのピーク性能では、最大330億のパラメーターモデルを実行できる。もちろん、これはスケーリングに基づくもので、16GBと24GBのRAMが必要になる。

Dimensity 9300に搭載されているImagiq 990 ISP(イメージシグナルプロセッサ)は、最大320MPのカメラセンサーに対応している。8K 30fpsまたは最大4K 120fpsのビデオ撮影が可能だ。また、画像や動画をHDRでキャプチャし、対応スクリーン上でHDRフォーマットで表示するAndroid 14のウルトラHDR機能もサポートしている。ISPはまた、背景ぼかしエフェクト(ポートレートモード)付きの4K 30fps動画を撮影することもできる。

新しいチップはまた、最大6.5GbpsのWi-Fi 7と、効率が10%向上したMediaTekの5G UltraSave 3.0+をサポートしている。

MediaTek Dimensity 9300は、まず中国とヨーロッパ市場で発売され、その後米国市場にも投入されるだろう。このチップセットを搭載したスマートフォンは、まずは数日中に発表される予定だという。実際の性能もすぐに見ることが出来るだろう。

MEDIATEK DIMENSITY 9300
(Credit: MediaTek)

Source

Follow Me !

\ この記事が気に入ったら是非フォローを! /

Share on:

関連コンテンツ

コメントする