これまでスマートフォンのアプリの中で、ゲームとそれ以外とでは、常にゲーム部門の収益が、ゲーム以外のアプリ全体の収益を上回ってきた。しかし、アプリ情報企業であるSensor Towerの新しいデータによると、米国ではついにその状況が変わったようだ。
iOSアプリではアプリのサブスクリプション化が進み収益が伸びている
2022年5月から状況に変化が出始めたようだ。6月までに、米国の消費者のアプリへの支出の50.3%は、TikTok、Netflix、Tinderなどの非ゲームアプリで占められたという。ゲーム以外のアプリへの支出は、最近、ゲームへの支出の2倍の割合で伸びている。2019年末から2020年初頭にかけての新型コロナウイルス感染症の流行開始時にはゲーム支出が爆発的に増えていたが、2020年末には非ゲームアプリが追いつき、2021年にはゲームを追い越したのだ。
これは、近年、多くのアプリがサブスクリプション・ベース・モデルに移行したことが一因となっている。長年、ゲームの収益が大きかったのは、必ずしもダウンロード数が多かったからではなく、アプリが、その内部で継続的に課金が望めるような構造になっており、長期的な収益化が、より強固であったためだ。他の種類のアプリはそのようなことはなく、多くは1回限りの購入か、限られた数のプレミアムアップグレードを提供するものだった。
App Storeからの収入を増やすために、Appleは開発者と面談し、サブスクリプションモデルを開発者に伝授したと言われている。これ以降、サブスクリプションは、多くの種類のアプリで一般的になってきている。
サブスクリプションモデルは、時に一部のユーザーから賛否両論あるものの、アプリマーケットプレイス全体の収益にはプラスになっている。Sensor Towerは、2022年第2四半期にAppleのApp Storeで400種類のアプリが少なくとも100万ドルの消費者支出を生み出したとしている。同四半期には、61のApp Storeアプリが少なくとも1000万ドルに達し、これは2016年に100万ドルを記録した数を上回るものだ。
ただし、この変化はAppleのiPhoneとiPadのApp Storeでのみ見られる傾向であることに注意が必要だ。ゲームは、競合するAndroidプラットフォームのアプリストアであるGoogle Playの方が、まだ多くの収益を上げている。実際、その差は歴然としている。Androidプラットフォームでは、2022年第2四半期にゲームの収益は23億ドルだったが、ゲーム以外では半分の10億ドルだったとのことだ。
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