HTCは、同社の「Vive Tracker」をバーチャルプロダクションに活用するシステムの一部と思われるViveの新製品イメージを公開した。
HTC : Twitterへの投稿
- HTCは用途の説明がないデバイスの写真をTwitterに公開
- デバイスには複数のVive Trackerと、SteamVR ベースステーションを検出することが出来ると思われるディスプレイが搭載
- DisplayPort、HDMI、および3つのUSBポートを備える
- 「バーチャルプロダクション」用途での使用を想定しているものと思われる
- 実現した場合、これまでバーチャルプロダクションで用いられたデバイスに比べて大幅に安価な物になると考えられる
HTCがViveブランドの謎のデバイスを公開
HTCのViveブランドは、これまでXR技術に特化して展開されてきたが、今回新たに公開した画像からは、同社が新たな展開を模索していることが感じられる。
全貌が写真で公開はされているが、用途についての説明がはない。ただ、画像からいくつかの事実が確認出来る。
まずこの小さな箱型デバイスに搭載されているディスプレイからは、このデバイスが3台のVive Trackerと4台のSteamVR ベースステーションを検出できることが表示から確認出来る。
また、DisplayPort、HDMI、および3つのUSBポートを搭載していることから、このデバイスが独自のVRレンダリングを処理できるコンパクトなPCである可能性も考えられるが、またはトラッカーの位置を検出、キャプチャ、および中継するための、専用制御デバイスである可能性も示している。
このデバイスの用途として想定されるのは、「バーチャルプロダクション」用途だ。バーチャルプロダクションとは、「バーチャル空間を活用したリアルタイム映像制作を行う新たなプロダクションワークフローの総称」だ。そう考える根拠としては、このデバイスのディスプレイに表示されている「Timecode」と「Genlock」の表記だが、これは映画とオーディオ機器を完全に同期させるためによく使われるからだ。
ただ、既に何十年も前から映画界で使われている位置追跡技術はたくさんあるわけで、そんな中、なぜ今HTCがこの市場に参加を考えているのだろうか。それは、そういったこれまでの機材に比べて、ValveのSteamVR Trackingシステムが大幅に安価であり、セットアップが簡単で、かなり正確だからだ。
これと比較すると、バーチャルプロダクションの分野でより一般的に使用されるOpti Trackなどは、より多くのことができるが、価格が安くて1万ドルからとなり、規模を拡大すると10万ドルを容易に超えてしまう。ここに商機があるわけだが、これはあくまでも想像であり、実際どうなるかはまだ分からない。
Viveはかつてコンシューマ向けVRヘッドセット分野で存在感を持っていたが、最近はMetaのQuestに押されてかなり市場を失ってしまっており、新たなビジネスを求めて新しい領域へと舵を切っているようだ。
HTCは今のところ、ティーザー写真以上のこのデバイスの情報を公式に発表していないため、発売時期や価格、具体的な機能などの詳細はまだ不明だが、近いうちに明らかになると思われる。
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