新型コロナウイルス感染症のパンデミックの間、人々が隔離生活を余儀なくされ、リモートワークが推奨された事もあり、PC市場は活況を迎えた。これはPC業界にとっては素晴らしいことだったが、2022年にパンデミックが終息すると、誰もPCパーツを買う必要がなくなったため、その反動から市場は低迷を迎えた。この低迷は2023年まで続いたが、Jon Peddie Research(JPR)によると、CPUの売上は2023年第4四半期にパンデミックのレベルを超えるまでに回復を見せているという。
CPU出荷に関する最新の数字は、PC市場がパンデミック後の低迷から完全に回復しつつあることを示している。JPRによると、CPUの販売台数は2022年第4四半期に底を打ち、5,400万台が販売された。それ以降、この数字は四半期ごとに7%ずつ上昇し、2023年第4四半期の販売台数は6,600万台に達した。JPRの調査によれば、CPUの販売台数は前年同期比で22%増加したことになる。また、現在ではほとんどのCPUに内蔵グラフィックスが搭載されており、この市場も過去1年間で18%成長している事が分かる。
統合GPUの市場も成長し続けるだろうとJPRは指摘する。直近の四半期では、市場普及率は約85%に達し、6000万ユニットが販売された。同レポートは、今後5年間でiGPUの市場シェアは98%に達すると予測しており、これがIntelがMeteor Lakeで統合GPUに注力した理由かもしれない。AMDもZen 4向けの最初のAPUである8000Gシリーズを発表したばかりだが、これはディスクリートGPUを持たないユーザー向けに作られたRDNA 3グラフィックスを搭載したお手頃価格のCPUだ。
JPRは、中東やウクライナで紛争が続いていることから、CPUの売上急増は、憂鬱なニュースの中で明るい話題だと述べている。これは特に関係がないように思えるが、レポートでは、インフレ率の継続的な低下と米国のGDPの増加とともに、こうした動きにもかかわらずPC市場が健全化の兆しを見せていると指摘している。2024年にはPCの大幅なアップグレードサイクルが到来するという、最近多くのハイテク企業幹部が唱えている考えを補強しているようだ。
2023年とは異なり、今年はIntel、AMD、NVIDIAから新しいCPUとGPUが登場し、Windowsの「新」バージョンも登場すると見られている。さらに、2021年のパンデミック期に購入されたPCはアップグレードの時期を迎えており、CPUも同様だ。「AIパソコン」が今年登場するのは言うまでもないが、それが私たちの生活をどのように向上させるかについてはまだ未知数である。
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