中国企業YingRen Technologyは、RISC-Vアーキテクチャに基づくコンシューマ向けPCIe 5.0 SSDコントローラー「YRS820」の量産を発表した。YingRenによれば、YRS820はファンレス設計で性能を発揮することが可能だという。
YingRen Technologyは、国外ではInnoGritとして知られ、コンシューマー向けSSDセグメントで一定の地位を築いている。
Yingrenが今回発表したYRS820は、同社が昨年発表したエンタープライズグレードのSSDコントローラー「YR S900」と多くの共通点がある。1つには、YRS820はYingrenが中国市場向けに開発した国産コントローラーである可能性が高い。YR S900と同様に、YRS820は米国の輸出規制を侵害しないようにRSIC-Vアーキテクチャに依存している。
同社によると、YRS820はAI機能を統合し、これによる最適化により、レイテンシーを最小化し、特定のアプリケーションのパフォーマンスを向上させるとしている。
Yingrenは、同社のYRS820が、YMTCの232層X3-9070 TLC NANDを組み合わせることで、それぞれ14,000 MB/秒および12,000 MB/秒を超えるシーケンシャルリードおよびライト速度を達成できることを明らかにした。このコントローラのランダムリードは2,000,000 IOPS、ランダムライト速度は1,500,000 IOPSとのことだ。さらに、このコントローラは、米国のポリシーに沿ったオープンソースのRISC-Vアーキテクチャ、4チャネルのPCIe 5.0インターフェイス、および8つのNANDフラッシュ・チャネルを備えており、妥協することなく最高のパフォーマンスを保証し、最大8TBの容量をサポートするという。
そして驚くべき事に、Yingrenは、YRS820はファンレス設計でこのハイエンドのパフォーマンスをすべて実現できると主張している。現在登場しているPCIe 5.0 SSDは高温で動作し、高負荷時にもその性能を維持するためにかさばるヒートシンクやアクティブクーラーを必要とするため、この主張には一定の懐疑の目を向けたいところだ。
同社は中国国内のエコシステムを拡大するため、国内のNANDおよびDRAMメーカーとYRS820の検証を続けている。その一方で、YMTCのNANDとの相性が良いことは分かっている。Yingrenは、YRS820がすでに量産に入っていることを確認しただけで、YRS820を搭載したSSDが小売市場に出回る具体的な時期については明らかにしなかった。
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