Appleは、フランスの規制当局から適切な電磁波レベルを超えているとの指摘を受け、3年前のiPhone 12に関する電磁波レベルの懸念に対処するためのソフトウェア・アップデートを準備している事が明らかになった。フランスは、同国の放射線監視委員会(ANFR)の勧告を受けてスマートフォンの販売を停止したが、Reutersが報じたように、Appleは疑惑を否定し、欧州諸国の検査プロトコルに責任を負わせたいようだ。
「フランスの規制当局が使用するプロトコルに対応するため、フランスのユーザー向けにソフトウェア・アップデートを発行します。これは、フランスの規制当局が使用する特定のテストプロトコルに関連するものであり、安全性に関する懸念ではありません」と、Appleの広報担当者はReuters、AFP、Euronewsへの声明で発表している。
Appleは、これは安全上の懸念ではないと繰り返し、同社のスマートフォンが世界的な放射線基準に準拠しているとして複数の国際機関によって認定されたことを指摘している。2020年に発売されて以来、EU27カ国の中で苦情を申し立てているのはフランスだけだと指摘している。この問題は、フランス政府のみが使用する特定のテストプロトコルから発生したという。
フランスは2020年に規制を変更した。電磁波レベルや、特定の機器を使用することで身体に吸収される高周波エネルギーの割合を検査する際に、手などの四肢への配慮を追加したのだ。これは比吸収率(Specific Absorption Rate:SAR)と呼ばれる。最近フランスで実施されたSARテストにおいて、規制当局はiPhone 12が頭や体を考慮したテストでは合格だったにもかかわらず、携帯電話を持った時のエネルギー吸収率が通常レベルを超えていることを発見した。
ベルギーとデンマークはAppleを支持し、ベルギーのMathieu Michelデジタル化担当大臣は、現地のテストは「安心できる」と述べ、販売停止を勧告した。デンマークの安全局もこれに続き、iPhone 12の放射線レベルに関して懸念はないと示唆した。業界の専門家も、今回の検査結果はiPhoneの放射線による火傷や熱射病の危険性はないと述べている。
フランスは、Appleのソフトウェア修正は適切であるべきであり、それが到着次第テストを再開すると述べている。Appleは定期的にiPhoneのソフトウェア・アップデートを配布しているため、近いうちにアップデートが公開されるはずだ。
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