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水素は、主に水などの化合物に多く含まれ、燃やしても有害な排出物を出さないことから、太陽光発電や、風力発電などから発生した電気を用いて生成し貯蔵することで、クリーンエネルギーの活用手段として大きな可能性を秘めている。

しかし、実用的で安価な方法で十分な量の水素を製造するには課題があった。水から水素を取り出すには複雑な技術が必要な上、淡水が必要であり、そういった意味ではどこにでも豊富にあるわけではない。

そこで今回、科学者たちは、湿った空気から水を採取し、水素と酸素に分解する新しいプロトタイプの装置を開発した。

しかも、必要な環境は、相対湿度4%でも可能と言うことで、乾燥した地域でも可能となっている。

研究者らは発表した論文の中で、「この研究により、空気中の水分は普遍的に利用可能であり、自然に無尽蔵であるため、電気分解による水素製造に直接利用できることを裏付けました」と述べている。

研究者らが組み立てた装置は、再生可能エネルギーの電力を用いて水を水素と酸素に分解する電解槽のプロトタイプだ。太陽光発電を利用したあるテストでは、5台の電解槽が並列に動作していた。

電極は、空気中の水分を吸収するスポンジ状の物質である集水器の両側に設置されており、電解液の貯蔵庫としても機能しています。両電極は空気から隔離されているので、水素と酸素を純粋な気体として回収することができる。

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試作機を満足のいくレベルで動作させるために、さまざまな材料とセットアップがテストされ、研究者が試した構成の1つは、12日間連続して正常に動作させることができた。

メルボルン大学化学工学科の上級講師で、論文の共同執筆者であるGang Kevin Li氏は、「私たちは、いわゆる『直接空気電解装置』、略してDAEを開発しました」とNewsweekに語っている。

DAEモジュールは、相対湿度4パーセントの乾燥した環境下で作動し、水の供給問題を克服して、環境への影響を最小限に抑えながらグリーン水素を持続的に生産することができるとのことだ。

清潔な飲料水はほとんどの場所で貴重なものであるため、この装置はどんな場所でもそういった水資源を減らさずに使用できる。しかし、水がまったくないような乾燥地域や半乾燥地域で最も利用される可能性が高い。

このように、水素エネルギーの普及に向けて、科学者たちはさまざまな可能性を追求している。

ただし、この技術はまだ初期段階にあり、DAE の設定や材料が異なれば、効率や発電量も異なる結果となっている。しかし、研究チームは、この装置の改良とスケールアップが可能であると確信している。

研究者らは、「流路を工夫したり、スポンジ材料のアスペクト比を高めたりして表面積対体積比をさらに改善すれば、DAEユニットのスケールアップに不可欠な水の取り込み速度が保証されるでしょう」と述べている。

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