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AMDは、Ryzen CPUにおいて、3D V-Cacheと呼ばれる独自の積層L3キャッシュを搭載した、比類ないゲーミング性能を誇る「Ryzen X3D」CPUシリーズを展開し、成功を収めているが、この程、半導体エンジニアのTom Wassick氏は、AMDの最高級GPUの1つであるRX 7900 XTで、3D V-Cache機能の展開に繋がる可能性を発見したと報告している

Wassick氏は、赤外線イメージングで7900 XTのダイ内部を解析した際に、AMDのZen 3およびZen 4アーキテクチャで使用されている「X3Dのキープアウトゾーンに酷似した、同じ17~18umピッチの『スポット(接続点)』が直線的に並んでいる」のを発見したとのことだ。

Wassick氏は、これらのTSV接続点が特にキャッシュ目的で使われるかどうかは分からないが、AMDは現時点では、3Dパッケージング機能を垂直スタックキャッシュ以上に拡張する計画を立てていないことが知られている。そのため、これらの接続ポイントは、ゲーム性能や演算性能を高めるために、ある種の3Dキャッシュを念頭に置いて使用されると推測される。

3D V-Cacheは、これまでAMDのRyzenおよびEPYC CPUで使用され、大きな成功を収めている。この技術は、RyzenやEPYCのコンピュートダイの上に、さらに64MBのキャッシュスラブを融合して、L3キャッシュの容量を増やすハイブリッドボンディング技術により実現している。現在、この3Dスタッキング技術により、AMDはデスクトップRyzen 9 7900X3Dおよび7950X3Dパーツで利用できるL3キャッシュの量を2倍に、Ryzen 7 5800X3D、7800X3DコンシューマーチップおよびEPYC Milan-Xサーバープロセッサで3倍に増やすことを実現しているのだ。

この技術による性能向上(特にゲーミング用途)は印象的で、例えば、Ryzen 7 5800X3Dでは、Ryzen 9 5900Xに対してゲーム性能が28%向上し、Core i9-12900KSよりも7%高速化したことが報告されている。

AMDのサーバー向け製品はさらに印象的で、AMDとMicrosoftによるMilan-Xベンチマークでは、標準的なMilanパーツに対して50%をはるかに超える性能向上が確認されている。ただし、このテクノロジで顕著なパフォーマンス向上が確認できるのは、キャッシュ容量が物を言うワークロードだけだ。

GPUアプリケーションで3D V-Cacheがどのように動作するかは不明だ。しかし、理論的には、より多くのキャッシュ容量があれば、GPUが低速のGDDR6メモリに行く回数が減るため、キャッシュに敏感なワークロードをより速く処理できるようになるはずだ。

また、3D V-Cacheの搭載で問題になるのは熱だ。この問題は、AMDのRyzen X3Dプロセッサで散見され、キャッシュの追加スラブが放熱を妨げ、CPU周波数の低下と温度の上昇を同時に招く(非X3Dパーツと比較して)結果となっている。AMDは、3D V-Cache GPUでも同じ問題に直面し、温度を維持するためにクロック周波数を下げざるを得なくなる可能性が高いと思われる。

NVIDIAに大きく水をあけられているAMDのGPUだが、この3D V-Cacheテクノロジーにより、一矢報いる結果になれば面白いことになりそうだ。


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