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新Radeon RX 7800 XTおよびRX 7700 XTビデオカードの発表と同時に、AMDは「Fidelity FX Super Resolution 3(FSR 3)」を含むいくつかのパフォーマンス向上プロジェクトに関する簡単な最新情報を提供した。

FSR 3:最初の2ゲームは9月に発売

AMDは、NVIDIAのDLSS 3フレーム生成機能に抗しうる技術として開発しているフレーム補間(フレーム生成)技術、Fidelity FX Super Resolution 3(FSR 3)に関するちょっとしたティーザー・アップデートを提供している。2022年のRadeon RX 7900シリーズの発表時に初めて発表されたが、当時、AMDはこの技術について大まかな詳細しか示さず、暗黙のうちに、開発を始めたばかりであることを示唆していた。

FSR 3は、FSR 2やその他のFidelity FXゲームエフェクトと同様に、AMDがオープンソースで開発したフレーム補間技術である。FSR 3では、AMDは「AMD Fluid Motion Frames」と名付けたポータブルなフレーム補間技術をまとめようとしており、DLSSとは異なり、ベンダー独自ではなく、複数のベンダーのさまざまなカードで動作させることができる(つまり、NVIDIAやIntelのGPUでも動作する)。さらに、FSR3のソースコードはAMDのGPUOpenコミュニティの一部として自由に利用できるようになる。

この最初の発表以来、AMDはFSR 3の開発状況について他に実質的なことは何も述べていない。しかし、ついにAMDは来月、最初の2つのゲームにFSR 3を提供する予定であることを明らかにした。

この発表に先立ち、AMDはForspokenでこのテクノロジーを実際に使用した際のベンチマーク数値を公開し、今後の展望を少し語っている。AMDは、Fluid Motion Frames、Anti-Lag+、およびテンポラル・イメージ・アップスケーリングを組み合わせて使用することで、Forspokenの4Kパフォーマンスを平均53fpsから175fpsに向上させることができたと述べている。

AMD FSR 3 Gamescom blog Performance
(Credit: AMD)

注目すべきは、AMDがここで「パフォーマンス」モードを使用していることだ。これは、テンポラル・アップスケーリングの場合、ゲームの希望解像度の4分の1でレンダリングすることを意味し、この場合、4K/2160p出力のために1080pでレンダリングすることになる。つまり、テンポラル・アップスケーリングによってかなりの負荷がかかっているが、そのすべてではない。

AMDはまた、希望する出力解像度でレンダリングし、AAにテンポラルテクニックを使用する新しいネイティブ・アンチエイリアス・モードを使用し、Fluid Motion Framesと組み合わせた、テンポラル・アップスケーリングなしの数値も公表している。この場合、4Kでのパフォーマンスは53fpsから85fpsになる。

AMD FSR 3 Gamescom blog Native AA
(Credit: AMD)

今のところ、AMDが提供しているデータ・ポイントはこの2つだけだ。それ以外では、プレスデッキに含まれるスクリーンショットは、画質の比較をするのに十分なほど高画質ではなく、AMDはこの技術が実際に動作しているビデオを公開していない。そのため、FSR 3が実際に動作していることは確認出来ないが、もうまもなく登場する事が確認出来たことは収穫だろう。

AMD FSR 3 Gamescom blog performance chart 1
(Credit: AMD)

互換性に関しては、AMDによると、FSR3はRDNA(1)アーキテクチャのGPUまたはそれ以降のGPU、あるいは同等のハードウェアで動作する。RDNA (1)はDirectX Feature Level 12_1アーキテクチャであり、同等のハードウェアはNVIDIAのMaxwell 2 (GTX 900)アーキテクチャまで遡る可能性があり、かなり幅広いハードウェアに及ぶことを意味する。とはいえ、互換性にはDirectXのフィーチャーレベル以上のものがあると思われるが、AMDはシステム要件についてこれ以上多くを語っていない。少なくとも彼らが言っているのは、RDNA(1)アーキテクチャのGPUでは動作するが、最高のパフォーマンスを得るにはRDNA 2/RDNA 3製品を推奨するということだ。

AMDは、幅広いPC用ビデオカードをターゲットにしているほか、ゲーム機もターゲットにしていることを明言している。そのため将来的には、ゲーム開発者はFSR3を統合し、AMD RDNA 2アーキテクチャGPUをベースとするPlayStation 5とXbox Series X|Sコンソール上でフレームを補間させることができるようになるだろう。

AMD FSR 3 Gamescom blog upcoming games
(Credit: AMD)

HYPR-RX:当初の予定から遅れ9月6日にリリース

HYPR-RXは、同社のRadeon Super Resolution(空間アップスケーリング)、Radeon Anti-Lag+(フレームキュー管理)、Radeon Boost(動的解像度スケーリング)を組み合わせたものだ。この3つのテクノロジーはすべて、現在AMDのドライバーですでに利用可能だが、現在のところ、すべてを一緒に使用することは出来ない。Super ResolutionとBoostはどちらもゲームのレンダリング解像度に関わる物で、Anti-LagはBoostの動的解像度調整に関わってくる。

HYPR-RXは、この3つのテクノロジーをまとめて互いに互換性を持たせ、その機能を1つのトグルで切り替えられるように設計されている。要するに、HYPR-RXをオンにすれば、AMDのドライバーは、ゲーム・パフォーマンスを向上させるために利用可能なすべての技術を自動的にONにしてくれる。

HYPR-RXは今年前半の終わりにリリースされる予定だったが、期限通りには行かなかった。しかし、数ヶ月遅れではあるが、AMDはRadeon RX 7800 XTの発売には間に合わせた。

AMD Radeon RX 7800 XT and RX 7700 XT Press Deck 19
(Credit: AMD)

今回、AMDはRX 7800 XTでいくつかのゲームのレイテンシーとフレームレートの両方を示すベンチマーク数値をいくつか公開している。ゲームによって異なるが、すべてのケースでレイテンシが減少し、フレームレートが上昇している。これらの個々のテクノロジーは現在すでに利用可能であるため、改めて紹介するまでもないが、その能力の重複や結果として生じる技術的なハードルを考えると、AMDが最終的にこれらをうまく連携させたのは素晴らしいことだ。

AMD Radeon RX 7800 XT and RX 7700 XT Press Deck 20
(Credit: AMD)

しかし、FSR 3とそのフレーム補間機能が間もなく利用可能になるため、AMDはHYPR-RXにFluid Motion Frameサポートを追加することで、AMDのドライバがフレーム補間(フレーム生成)を使用してゲーム性能をさらに向上できるようにするようだ。

AMDは基本的に、ドライバレベルですべてのゲームにフレーム補間を導入することを約束している。だが、FSR 3は、モーション・ベクトル・データに依存していることもあり、この技術を個々のゲームに組み込む必要がある。HYPR-RXのRadeon Super Resolution能力が空間アップスケーリング技術に過ぎないのはそのためだ。

別の言い方をすればAMDはどうやら、モーションベクトルなしでフレーム補間を行い、それでも十分な画質を達成できると考えているようだ。これはかなり大胆な目標であり、今後どのような結果になるか興味深い。

最後に、AMDが現在実装しているHYPR-RXは、9月6日に新しいドライバ・パッケージの一部として提供される予定だ。一方、フレーム補間機能を備えたHYPR-RXは現在開発中で、後日提供される予定だ。


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