AMDのAIアクセラレータ「MI300」が登場し、市場ではNVIDIAとAMDによる製品の競合が始まっている。どちらがより強力なAIアクセラレーション能力を持っているかは、様々な要素がからむこの分野で容易に答えの出るものではないが、どちらのハードウェアがより高価であるかについては疑いの余地がない。NVIDIAは数ヶ月間、そのハイパワーAIチップを高価格で販売しても飛ぶように売れているが、新たな報道では、AMDチップの価格はNVIDIA製に比べて遥かに安価であり、数分の1であるとのことだ。
AMDとNVIDIAはこれらチップの価格設定を公表していないため、見積もりは難しいが、eBayの出品価格や投資家のコメントでは、H100は6万ドルに近いとされている。
AMDは、CDNA 3ベースのInstinct MI300XアクセラレーターとMI300Aアクセラレーテッド・プロセッシング・ユニット(APU)の量産出荷を正式に開始し、最初の顧客の一部はすでにMI300Xパーツを受け取っている。顧客ごとの価格は数量やその他の要因によって異なるが、Citi Groupの推定では、AMDがMicrosoftにInstinct MI300X 192GBを1台あたりおよそ1万ドルで販売しているという。その他の顧客は、人工知能(AI)やハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)アプリケーション用のInstinct MI300X GPUに約15,000ドルを支払う必要がある。しかし、いずれにしても、AMDチップはNVIDIAのH100よりも大幅に安い。
以前の予想では、NVIDIAは現在、H100の1個あたり1,000%の利益を上げているとされていたが、同社のコストは依然として不明である。昨年、Barron’sは、ワークステーション用GPUの価格の10分の1しか製造コストが占めていない可能性があると報じたが、その他の考慮すべき要因には、メモリ、人件費、大量購入と個別購入、特定のバイヤーとの取り決め、CUDAのIPロイヤリティ料などが含まれる。とはいえ、NVIDIAがその圧倒的な市場地位と、AIチップの信じられないほど逼迫した供給を活用していることは間違いない。
一方、ライバルの優位性は、AMDがMI300カードを値下げし、マージンを少なくする動機付けとなっている。この戦略は、AIブームによってここ数週間で史上最高値を更新したAMDの株価に如実に表れているだろう。
2023年第4四半期の決算説明会で、Lisa Su CEOは今年のAI関連の売上高目標を20億ドルから35億ドルに修正した。しかし、CitiはAMDが意図的に過小評価していると非難しており、MI300による売上は2024年に50億ドル、2025年には80億ドルに近づくとしている。
NVIDIAはまだ2024年の決算を発表していないが、過去の四半期を見ると、同社の収益はAIチップの需要から急増している。NVIDIAのAI事業を含むデータセンターからの収益は、2023年第3四半期に145億1000万ドルに達した。さらに、Gartnerのアナリストは、同社の2023年全体の売上高は239億8000万ドルになると予測している。
Source
- Seeking Alpha: AMD’s $3.5B AI guidance is ‘sandbagged,’ Citi says
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