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先日、日本でも利用可能になったChatGPTのライバルと目されているチャットボット「Claude 2」で知られるAIスタートアップのAnthropicは、Amazonからの出資に続き、Googleからも多額の投資を受けたようだ。

The Wall Street Journalによると、AnthropicとGoogleの契約が無事に行われ、今後総額で20億ドルが支払われる事になったという。まずGoogleは直ちに5億ドルを現金で支払い、その後、不定期に総額20億ドルを支払うという。この2回目の投資は、Googleが2023年2月に行った約3億ドルの初期投資に続くものだ。

Anthropicは現在、自社のサービスやAWS、GoogleのクラウドAIサービスVertex AIなどのパートナーを通じて、Claude 2のチャットボットをウェブ上やプログラミング・インターフェースとして展開している。Claude 2は現在95カ国で利用可能だが、おそらくプライバシーの観点からEUでは現在利用できない。

AI競争はクラウド競争

Googleの動きは、チャットボットとLLM-API市場を共に支配しているOpenAIとMicrosoftのタッグを崩すための戦略的なものだ。MicrosoftのAzureクラウド事業は前期、生成AIのおかげで成長したが、反対にGoogleとAmazonのAWSクラウドの成長は大幅に鈍化した。

Microsoftは、市場をリードするGPTモデルに加えて他のAIモデルも提供できる点で、競合他社やOpenAI自身よりも優位性があり、ヨーロッパではプライバシーに準拠したGPTモデルを提供している。その結果、Microsoftは現在、多くの企業にとって最も魅力的な総合AIクラウドを提供している。

Anthropicへの投資は、少なくともMicrosoftと同様の地位を求めているGoogleのクラウド事業からもたらされたものである。Googleは、自社の次世代AIモデルであるGeminiやその他の強力で排他的なモデルを、市場をリードするLLMのスペシャリストであるAnthropicのモデルで補完し、競合他社よりも優れた総合的なサービスを提供するつもりだ。

AnthropicのAmazonやGoogleとの契約には、彼らのモデルを訓練し、実行するためのコンピューティング・パワーへのアクセスも含まれている。

AmazonはAnthropicに最大40億ドルを投資する意向で、現在200億ドルから300億ドルの評価額を求めており、3月の評価額40億ドルから大幅に上昇している。これに比べ、OpenAIの評価額は約800億ドルと言われている。

これまでのところ、Anthropicの年間売上は1億ドルと言われており、年内に2億ドル、2024年末までに5億ドルになるとの予測を、事情に詳しい2人の関係者の話を引用してThe Informationが報じている

Anthropicは、Dario AmodeiとDaniela Amodeiの兄妹が率いるOpenAIの元従業員によって2021年に設立されたAI言語モデルのスタートアップだ。同社のチャットボット「Claude」は、OpenAIのChatGPTモデルに最も近い品質を提供している。


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