ダンベルをゆっくり下ろす運動を1日6回やるだけでも筋力が大幅アップすることが判明

masapoco
投稿日
2022年8月17日 15:49
dumbell curl

熱心なトレーニーだけではなく、運動をした方が健康にいいことは分かっているものの中々継続出来ない人にとって、最適な運動の強度や頻度、期間などは興味深い問題だろう。

今回、オーストラリアのエディスコーワン大学(ECU)と日本の新潟大学西九州大学が共同で行った研究では、毎日ごく短時間のダンベルトレーニングをするだけでも筋力が大幅に向上することが明らかになった。

ダンベルを持ち上げてゆっくり下ろすだけを1日6回という超短時間で済む運動が効果大

今年の初め、オーストラリアのエディスコーワン大学 野坂教授を中心とした研究チームは、1日にたった3秒でも定期的に上腕二頭筋をカールさせることで身体的効果が得られるという研究結果を発表していた。このような短時間の運動でも、筋肉量の向上につながることが分かっていたが、今回の研究は、短時間の運動でも大きな効果が得られるという考えを更に広めるものとなる。

今回の新しい研究は、多くの人が抱いているであろう疑問に答えてくれる。つまり、毎日少しずつ運動するのと、週末に長時間激しく運動するのと、どちらが良いのかという問題だ。この新しい研究では、こと体を大きくすることが目的であれば、1週間を通してウェイトトレーニングをする方が良いということが示されている。

被験者は3つのグループに分けられ、全員が上腕二頭筋のエキセントリック収縮を行うように指示された。エキセントリック収縮とは、持ち上げたダンベルをゆっくりとその重さを感じて負荷を感じながら、時間をかけて元の位置に戻す動きのことだ。グループAはこの動きを1日に6回だけ、グループBは1日に6回この運動行うことを週5日、最後のグループCは1日に30回この運動を行うことを週に1回だけおこなうというものであった。

4週間後、1日6回を週1回だけ行ったグループAは、筋力も筋肉の厚みも増加しなかった。1日30回の運動を週1回だけしたグループCは、筋力の増加は見られなかったが、筋肉の厚さは5.8%増加した。1日6回を週5回くりかえすグループBでは、筋肉の厚さはグループCとほぼ同じ程度増加し、更に筋力は10%以上と大きく向上した

この結果は筋力をアップさせるには重いダンベルを1日1~6回ゆっくり下ろすだけで十分であることを示している。

研究チームは、このグループBの2日間の休息日の重要性に注目している。これは、重要な筋肉の適応が起こるための時間を確保するためだ。また、このような短時間のトレーニングが、筋肉量や筋力の低下を含む加齢の影響に対抗する可能性を指摘している。今回の結果は上腕二頭筋についてだったが、研究チームは、同じ原理が他の筋肉群にも適用される可能性があると考えている。

「週に1回ジムに通うだけでは、自宅で毎日少しずつ運動するのと同じような効果は得られません。今回の研究は、私たちが以前行った研究と合わせて、週に1回、何時間もかけて運動するのではなく、1日に少しの運動でも、それを積み重ねることの重要性を示唆しています。すべての筋肉の収縮が重要であり、それをいかに定期的に行うかが重要であることを知る必要があります」と野坂教授は述べている。


論文

参考文献



この記事が面白かったら是非シェアをお願いします!


  • arctic ice
    次の記事

    北極圏の温暖化が世界平均の4倍で進んでいることが明らかに

    2022年8月17日 18:02
  • 前の記事

    ハードディスクドライブの四半期販売台数は、需要減退により15%減を記録。ただし、出荷容量は微減に留まる

    2022年8月17日 13:52
    hdd inner

スポンサーリンク


この記事を書いた人
masapoco

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


おすすめ記事

  • laziness office work

    座りっぱなしは健康に悪く、運動しても有害な影響を相殺することはできないらしい

  • granola

    筋肉をつけたい?炭水化物がタンパク質と同じくらい重要な理由

  • 1cc801db03c137d22b205605b92f7dd1

    あなたの体には、肥満症治療薬のような減量システムがすでに組み込まれている

  • AdobeStock 510477681

    筋膜:私たちの身体で最も軽視されている部分が、ようやく注目され始めた

  • sport gym

    有酸素運動と筋トレ、どちらが先か?専門家がトレーニングの順番を最適化する方法を解説

今読まれている記事