Qualcommの、ノートPC向けARMベースのチップ「Snapdragon 8cx Gen 3」は、同社が誇る最新の物で、現状市場に出回っているノートPC向けのARMベースチップとしては最速の物だが、Appleの最新M2チップと比較したとき、その性能差は大きな開きがあるようだ。
Twitter : Skyjuice氏の投稿から
Snapdragon 8cx Gen3は、現在、Windowsを搭載した1200ドルのARMノートであるLenovo ThinkPad X13sにのみ搭載されている。実際にどの程度の性能があるのか、TwitterにてSkyjuice氏が公開している。
Lenovo ThinkPad X13sのGeekbench 5によるテストの結果は、シングルコアのスコアが1111、マルチコアのスコアが5764となった。同じテストに関して、M2は、以前のベンチマークレポートで、シングルコア・スコア1919、マルチコア・スコア8928を記録していた。
結果を比較する限り、Snapdragon 8cx Gen3は、マルチコアカテゴリでM2よりも55%遅くなっている。ちなみにこのスコア、2020年に発売されたM1よりも遅いのだ。これは実に驚くべき結果で、このスコアの差は、あるアナリストが、AppleがARMノートブック分野で優位に立ち、競合他社に対して最大3年のリードを持っていると発言したことを裏付ける内容になるだろう。
Qualcommは以前、AppleのMシリーズに対抗するために、Nuviaの買収を利用して将来のチップセットの性能を強化すると述べていた。発売時期の具体的なアナウンスはないが、おそらくQualcommとしては、将来のフラッグシップスマートフォン用SoCであるSnapdragon 8 Gen 2と一緒に、今年の後半にプレビューを提供するのではないだろうか。
ただし、Appleが競合他社が新しいチップによって巻き返しを図ろうとするのを手をこまねいて見ているわけではない。実際、レポートによると、より高速なM2 ProとM2 Maxは今年後半にTSMCの最先端の3nmアーキテクチャで大量生産され、M1 ProとM1 Maxよりも電力効率が高くなるとのことだ。
果たして3年の開きがある状況を、この短期間でQualcommが挽回できるとも思えないが、徐々にでも距離が縮まり、いつか追い抜く日が来るだろうか。
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