CounterpointのFoundry and Chipset Trackerによると、世界最大のファウンドリであるTSMCと、Samsung Foundryの2社によって、世界のスマートフォン用チップセットの製造が引き続き複占されている事が判明した。そして、更にTSMCのシェアが圧倒的だと言うことも。
TSMCが7割近いシェアを獲得、Samsungの2倍以上となる
世界最大のファウンドリであるTSMCは、システムオンチップ(SoC)からディスクリートのアプリケーションプロセッサ(AP)やセルラーモデムまで、スマートフォンに入る主要チップセットの製造において約70%のシェアを獲得していることが分かった。また、Samsung Foundryは、TSMCに次いで2番目に大きなファウンドリで、世界のスマートフォン用チップセットの30%のシェアを獲得している。この2社で市場の99.9%を占めており、ほぼ複占状態であるといえるだろう。
ただし、スマートフォンチップセットの製造に使用される高度なノード(4nmと5nm)に関しては、このシェアが逆転し、Samsungが第1四半期に60%のシェアでリードしていることが分かった。
1年前にSamsung Foundryが先端スマートフォンチップセット製造の8.6%しか確保していなかったことを考えると、これは大きなステップアップと言える。
要因としては、スマートフォンのチップセットだけを見ると、QualcommがX60ベースバンドにSamsung Foundryを選んだため、TSMCは2022年第1四半期から年間9%の減少を記録している。更に、自社のチップセット「Exynos」シリーズがあることも大きいだろう。
業界関係者は、Samsungの4nmプロセスノードの歩留まり率が比較的低かったにもかかわらず、市場において優位に立ったのはQualcomm Snapdragon 8 Gen 1の受注とGalaxy A33およびGalaxy A53に搭載された5nm Exynos 1280に大きく牽引されたことが大きいのではないかと述べている。
Samsungは最近3nmの製造に移行し、TSMCより先行しており、TSMCは今年後半に独自の3nm製造ラインを開始する予定だ。
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