2022年に続き、2023年もAI関連の話題は尽きることがなかった。今1番テクノロジー業界でホットな分野とも言えるAI研究職は、人材獲得競争も激しさを増しており、それに伴って人件費も高騰していることが度々話題に上る。
では、OpenAIやGoogle DeepMind、Metaと言ったAI関連企業で実際に働くとなった場合、どれくらいの報酬がもらえるのだろうか?博士号取得者の給与交渉を支援する企業Roraが、AI関連企業との給与交渉に関するレポートを発表し、各AI企業が研究者にいくら給与を支給したかを明らかにしているが、実際に見てみればお分かりのように、いささか意外に映るかも知れない。
以下が、実際のトップAI企業のリストと研究者への給与額(年俸)となっている。
企業名 | 年間報酬 | 初期提示額 | 交渉による差分 |
---|---|---|---|
OpenAI | $860,000 | $665,000 | 30% |
Anthropic | $855,000 | $855,000 | 0% |
Inflection* | $825,000 | NA | NA |
Tesla | $780,000 | $702,000 | 11% |
Amazon | $719,000 | $520,000 | 38% |
Google Brain | $695,000 | $590,000 | 17% |
TikTok | $605,000 | $430,000 | 40% |
FAIR | $556,000 | $480,000 | 15% |
Google Research | $549000 | $310,000 | 77% |
Waymo | $530000 | $385,000 | 37% |
DeepMind | $515,000 | $452,000 | 13% |
Bloomberg AI | $460,000 | $318,000 | 44% |
Apple | $450,000 | $337,000 | 33% |
Microsoft Research | $449,000 | $270,000 | 66% |
Salesforce Research | $441,000 | $355,000 | 24% |
Toyota Research Institute | $410,000 | $370,000 | 10% |
$409,000 | $359K | 13% | |
NVIDIA | $390,000 | $340,000 | 14% |
IBM Research | $377,000 | $262,000 | 43% |
Allen Institute | $350,000 | $310,000 | 12% |
Samsung Research | $285,000 | $240,000 | 18% |
Hugging Face | $238,000 | $185,000 | 27% |
報酬総額は、基本給、賞与、株式からなる。契約ボーナスやその他の現金ボーナスは、4年間で0ドルから70万ドルまで幅があるが、この表には含まれていない。
OpenAI、Anthropic、Inflectionと、今話題のAIスタートアップが軒並み高額報酬を提示しており、研究者を惹きつけているのが見て取れる。(ストックオプションの比率が高いとも考えられるが)。日本円にして1億円超の年間報酬という事で、日本企業の報酬体系からは考えられないほどの高額報酬が得られる事に驚愕を隠せない。優秀な人材が日本から出て行くのも宜なるかな。
同じGoogle内でもGoogle Brain、Google Research、そしてDeepMindで報酬に差があるのも興味深い。特にGoogle Researchは、初期提示から交渉によって77%もの増加があり、スキルのある人材には相応の報酬を与えている。
Amazon、Teslaも初期提示からしてかなりの高額を提示しており、優秀な人材を獲得するために各社がしのぎを削っているのが見て取れるだろう。
日本のトヨタも、米国の研究所Toyota Research Instituteにおいては高額のオファーを提示しており、AI関連に力を入れているようだ。
このデータ自体は2023年4月10日時点のものなので、2023年末時点ではまた大きく状況が変わっていること考えられる。ヨーロッパのMistralなども大きく資金調達を行っており、ランキング上位に食い込むことが予想されるが、OpenAIの地位はしばらく崩されないかも知れない。
Source
コメントを残す