延命や若返りの研究は盛んに進められているが、死んだ人を生き返らせることの研究はあまり聞いたことがない。だが、死んだ人間の蘇生技術の開発が将来的に達成されることを祈って、死後に遺体(または脳)を専門の冷凍保存施設に保管することを請け負う企業が、ドイツには存在する。
ドイツ・ベルリンのスタートアップ「Tomorrow Biostasis」では、すでに10人ほどが試験的に冷凍保存されているという。そのほかにも、死んだ後に生き返ることを期待して、何百人もの人々が選ばれるのを待っているとのことだ。
この科学的冷凍保存は、ヨーロッパ諸国で非常に人気があり、寄付による遺体の受け入れを希望する大学には順番待ちのリストがあり、現在では手数料も徴収されているほどだという。
中には脳を保存したいだけの人もいる。将来的に、攻殻機動隊のキャラクター「草薙素子」のように、脳だけを作られた体に乗り換えることを希望しているのだろうか。
ちなみに、冷凍保存を待つ人々の多くは、あなたが思っている人々とは異なるかも知れない。実際には、なんと平均年齢36歳と、非常に若い人々が冷凍保存を希望しているとのことだ。
Tomorrow Biostasisの共同創設者、CEOのEmil Kendziorra氏は、若年層はテクノロジーとともに育ってきた可能性が低く、信仰心も薄いため、このような結果になったと分析している。待機リストには、さまざまな国や社会経済的背景を持つ多様な人々が含まれているが、技術系の人々が多くを占めるとのことだ。
冷凍保存の希望者は、死亡するとすぐにTomorrow Biostasisによって、冷凍保存される。そして、その人の最初の死因を治療して元に戻し、死から蘇らせることが可能になれば、それを試みるとのことだ。
死亡した遺体はスイスのラフツに運ばれ、欧州バイオスタシス財団に長期保管される。このプロセスを「科学的遺体提供」という。科学的な処理を合法的に行うため、遺体は196℃前後に冷却され、液体窒素を満たした断熱タンクの中に閉じ込められる。
もしかしたら、実際に医療技術の進歩により、死んだら凍らせて生き返らせるということも可能になるかもしれない。
だが、どのタイミングで蘇生させるか、蘇生後の倫理的な問題や、セカンドライフの資金をどうするかなど、数え切れないほど複雑な問題を抱えている。
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