米国下院はChatGPT等の生成AI利用を厳しく制限している

masapoco
投稿日 2023年6月27日 10:15
capitlo hill

米国議会下院は、議会事務局による生成AIツールの使用に厳しい制限を設けており、現在はOpenAIの「ChatGPT」の有料サービスである「ChatGPT Plus」のみが許可されていることが、Axiosの報道により明らかになった。

Axiosは、下院事務局長のCatherine Szpindor氏から、ChatGPTと同様の大規模言語AIモデルを議会事務局で使用するための厳しい条件を設定したメモを入手したとしている。そのメモによると、議会事務局職員が使用できるのは有料のChatGPT Plusサービスのみで、その理由はプライバシー管理が厳しいためで、あり、また利用に際しては、「研究と評価」のためだけだとSzpindor氏は述べている。「まだ公開されていないテキストブロック」をサービスに貼り付けることや、日常業務においての利用はまだ許可されていないとのことだ。

AppleSamsungを含む多くの民間企業は、従業員がChatGPTのような生成AIツールを使用することを制限または禁止している。これらの企業は、機密データがツールを通して漏れるかもしれないという恐れを挙げている。この恐れは、ユーザーのチャット履歴を一時的に公開したバグのような、OpenAIのプライバシーに関する過去の失態にも裏付けられている。

「ChatGPTや他の大規模言語モデルAIソフトウェアの他のバージョンは、現在のところ下院での使用は許可されていません」とSzpindor氏は月曜日のメモに書いている。

議会事務局は、ChatGPT Plusを使用する場合でも、一般にアクセス可能なデータでのみチャットボットを使用することが許されている、とSzpindor氏は付け加える。プライバシー機能は、AIモデルにデータを送り込まないように、手動で有効にする必要がある。ChatGPTの無料プランは、他の大規模言語モデルと同様、現在許可されていない。

下院の方針は、それほど大きな反対には直面しないかもしれない。連邦議会では賛否両論があり、AIを規制し統治しようとしている。下院では、Ritchie Torries下院議員が生成AIの使用に免責条項を義務付ける法案を提出し、Yvette Clark下院議員は政治広告についても同様の開示を望んでいる。上院議員はAIに関する公聴会を開催し、AI開発者がそのプラットフォームを使って制作した有害なコンテンツに対する責任を問う法案を提出した。

米国の厳しい措置とは異なり、日本では生成AIの政府機関での利用が検討され始めている。既に2023年4月には、神奈川県横須賀市が行政業務において全面的にChatGPTを利用する事を開始した。また、今月に入り、東京都庁も生成AIの導入により、行政業務の効率化を図る計画があることを表明している


Source



この記事が面白かったら是非シェアをお願いします!


  • samsung hbm
    次の記事

    Samsung、打倒SK hynixのために今年後半にAI用メモリを増産へ

    2023年6月27日 10:37
  • 前の記事

    “人間の心”のコピーはどのようにして可能になるのか?

    2023年6月27日 8:35
    human brain digital

スポンサーリンク


この記事を書いた人
masapoco

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

おすすめ記事

  • openai

    OpenAI、15秒の音声サンプルから感情豊かで自然な音声を合成できる「Voice Engine」を発表

  • a04c35e8e555c1cc7ae1d6a5f3159856

    MicrosoftとOpenAI、1000億ドル以上をかけて超人的AI開発のためのスーパーコンピューター「Stargate」を開発する計画

  • Sam Altman TechCrunch SF 2019 Day 2 Oct 3 cropped cropped

    ベンチャーキャピタリスト、OpenAIのSam Altman氏を“誇大妄想的”と非難

  • google logo image

    Googleが非営利団体を対象に2000万ドルの資金を提供し生成AI活用を支援

  • Pixel 8 in Rose.max 936x936.format webp

    Google、方針を転換しPixel 8にもGemini NanoによるオンデバイスAI機能を搭載へ

今読まれている記事