2023年第3四半期の結果を見る限り、世界のファウンドリービジネスは反映を続けているようだ。TrendForceは、TSMC、Samsung、GlobalFoundries ,SMIC、Inel Foundry Services(IFS)など、トップ10ファウンドリーの総収益は約282.9億ドルに達し、スマートフォンやPCの需要回復により前期比7.9%増と顕著な伸びを示した事を報告している。
チップ・ファウンドリーは、CAD設計を実際のシリコン・コンポーネントに変換し、コンピューターやスマートフォン、その他のデジタル機器に組み込むことで、テクノロジー産業において重要な役割を果たしている。
TrendForceによると、TSMCは172億4,900万ドルの収益を上げ、前四半期比10.2%増となり、業界トップの座を固めた。TSMCは、PCやスマートフォンなど様々なエレクトロニクス産業での需要拡大に牽引され、現在チップ・ファウンドリー市場全体の57.9%と、圧倒的な地位を誇っている。
TSMCは最近、Appleデバイス向け3nmチップの実生産と出荷を開始し、同社の総売上高の6%を占めた。その他の先端製造ノード(7nmおよびそれ以下)は、当四半期の売上高のほぼ60%を占めた。
Samsungは前四半期比14.1%増の36.9億ドルの総売上高を誇り、ファウンドリー企業2位の座を維持している。同社は先端製造プロセスに対する需要の高まりを強調したが、TrendForceは収益の大半はQualcommの5G製品と28nmベースのOLEDディスプレイ用ICによるものだと指摘した。
GlobalFoundries は第2四半期から第3四半期にかけて堅調に推移し、18.5億ドルの売上高(0.4%増)を計上した。中国のSMICは前四半期比3.8%の増収で5位を確保した。その他のマイナー・メーカーの業績はまちまちで、トップ10には注目すべき新規参入企業が入った。
Inel Foundry Servicesは、x86チップ・メーカーIntelがサードパーティ企業に提供する新しいファウンドリー・サービスで、売上高は3億1,100万ドル、前四半期比34.1%の大幅増となった。Intelの第3四半期の業績は、主にGraviton4とTrainium2のシステムインパッケージの出荷を拡大しているAmazon Web Services向けに製造されたチップによって牽引された。
TrendForceは、TSMC、Samsung、SMIC、IFSの好業績により、世界のファウンドリ業界は現在、上昇基調にあると指摘している。2023年第4四半期には、最先端チップ製造ノードと、より「些細な」チップ製造ノードの両方で製造されるスマートフォンコンポーネントの需要が増加し、業界の健全な状態が確認されると予想される。
Source
コメントを残す