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2nm世代のチップは開発だけで1,000億円ものコストがかかる

最先端の半導体製造には多額のコストがかかり、工場の建設だけで何千億、場合によっては兆円単位もの巨額の費用がかかるが、コストの高騰は製造のみならず、設計の段階から見られている。

2022年にMarvellが投資家向けに行ったイベントや、International Business Strategies(IBS)が最近行った2nmクラスのチップ設計に関する見積もりでは、2nm世代のチップの開発には実に7億2,500万ドル(約1,055億円)もの巨額のコストがかかることが判明した。

cost of advanced designs
(Credit: The Transcript/Twitter)

チップ設計開発費の大部分はソフトウェア開発と検証で、ソフトウェアが約3億1,400万ドル、検証が約1億5,400万ドルとなっている。

チップ設計コストが増加していることは確かだが、IBSによる見積もりは、IPを持たず、すべてをゼロから開発しなければならない企業が、かなり大規模なチップをゼロから開発する場合の開発コストを反映したものである点には注意が必要だ。

巨大な設計を開発する新興企業もあるが(Graphcoreなど)、そのほとんどはかなり小規模なものを開発している。さらに、新興企業はライセンスできるものは何でもする傾向があるため、差別化できるIPだけを設計・検証し、その後で設計全体を検証しなければならない。このような企業もチップ(あるいはプラットフォーム)に7億2,500万ドルを費やすことはない。

また、既に非常に複雑なチップのためのリソースを持っている大企業は、すでに動作するIPとコード行の負荷を持っているので、1つのチップに7億2,500万ドルを費やす必要もない。しかし、プラットフォームの開発には数億ドル、あるいは数十億ドルを費やす傾向がある。例えば、NVIDIAが新しい製品ラインアップ(ゲーム用のAda LovelaceやコンピュートGPU用のHopperなど)を開発する際には、マイクロアーキテクチャに莫大な資金を費やし、その後、チップの実際の物理的実装に莫大な資金を費やす。

またこの試算において、開発時間とコストを大幅に削減するAI対応の電子設計自動化ツールやその他のソフトウェアを使用せずに、従来のチップ設計手法を前提としていることも、コストを過大に見積もっている要因の1つと言えるだろう。

現在、そしてこれからの設計開発においては、Ansys、Cadence、SynopsysによるAI対応ツールの利用が進んでおり、近い将来、AIを搭載したソフトウェアを使用せずに最先端のチップを製造することは不可能になることも予想される。


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