運動する時間が週末しかない人にとっては朗報だ。新しい研究によると、週末にまとめて運動することは、我々が思っている以上に価値があるようだ。この研究では、平日に定期的に運動する人と週末に詰め込む人の早期死亡のリスクを比較し、両者の間に有意な差がなかったと報告している。
まとめて運動する事にもちゃんと意味があった
WHOの『身体活動と座位行動に関するガイドライン2020』によると、すべての成人に対し、150~300分/週の中等強度の身体活動、75~150分/週の高強度の身体活動、または両者の組み合わせを推奨している。
毎日、少しずつ運動をする習慣の人もいれば、週末にガッツリとまとめて運動する人もいるだろう。この新しい研究の著者らは、このようなライフスタイルの違いが、早死にのリスクを下げることに影響を与えるかどうかを調査することにした。
ブラジルのサンパウロ連邦大学のMauricio dos Santos教授が率いる研究チームは、米国内の成人35万人のデータを使って研究を行った。この研究チームは、米国の成人35万人の身体活動に関するデータを収集し、運動習慣の違いによって、以下の通りにグループ分けを行った。
- 運動不足の人
- 毎日定期的に運動している人
- 週に3回以上運動している人
- 週末に1~2回だけ運動している人
対象者は平均10年間追跡調査され、その間に約22,200人が死亡したと報告された。そのうち4,000人以上が心臓血管系の疾患で、約6,000人ががんで亡くなったという。週末にまとめて運動する人であろうと、定期的に運動している人であろうと、週の結果として推奨される運動時間を確保できている人は、特定の原因、あるいはあらゆる原因による死亡率が低いというメリットがあることが分かった。
しかし、最も興味深かったのは、週末にのみまとめて運動をしている人と毎日定期的に運動している参加者の間に有意な差が認められなかったことである。
このことは、同じ量の身体活動を行うのであれば、日数を多くしても、少ない日数に集中させても、死亡率には影響しないことを示唆している
Mauricio dos Santos教授
もちろん、定期的な運動には、気分や認知を高めたり、代謝を高めたり、不安症状を軽減したりと、他にも多くのメリットがあるだろうが、この研究は、身体活動が早期死亡のリスクに関係する限り、土曜日や日曜日にでも汗をかく時間を作ることは、非常に有益であることを示唆している。
「仕事の合間に毎日、あるいは定期的に体を動かす機会が少ない人にとって、これらの知見は重要です。」と、論文の著者は述べている。
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