Sonyは、同社ハイエンド・ワイヤレスイヤホンの新型となる「WF-1000XM5」を一足先に海外にて発表した。WF-1000XM5では、前モデルからの着実な音質の改善が見られ、またANCの大きな改善、360度バーチャルサラウンド機能等が搭載された上で、小型化が図られている。
このイヤホンは、昨年あたりから長い間噂され、予告されていたものだ。2019年のXM4イヤホンの次世代機として、多くのSonyファンが待ち望んでいた製品だろう。
この新しいイヤホンには、新しい「ダイナミックドライバーX」と呼ばれる、前モデルに比べて大きくなった8.4mmドライバーも搭載されており、よりワイドなサウンド再生が可能となり、低周波のノイズを抑え、より豊かで詳細なサウンドを実現するとしている。Sonyによると、振動板自体にも歪みを抑える事を実現する素材が使用されているとのことだが、正確な詳細は明かされていない。その他、このイヤホンの内部には多くの電子的・機械的な改良が施され、素晴らしいオーディオ体験を求める人々にとってより良いイヤホンとなっている。
ノイズキャンセリングに関しては、HDノイズキャンセリングProver QNe 2、統合プロセッサーV2が搭載されている。これらが協調して動作する事で、前モデルから飛躍的な進化を遂げたアクティブノイズキャンセリングを実現しているとのことだ。また、それだけでなく、上記のプロセッサーは24ビットオーディオと「高性能」アナログ増幅を処理するために協働し、デジタル再加工だけではない、ソースの本来の音を再現する事にも役立っている。
とはいえ、もちろんWF-1000XM5はSonyの有名なLDACコーデックを使用しており、イヤホンが処理・再生できるより多くのデータを伝送するように動作する。DSEE Extremeによって、Spotify、Apple Music、YouTube Musicなどのサービスから圧縮されたデジタル音楽をアップスケーリングし、高音質で楽しむことが可能だ。
外観に関しては、WF-1000XM5は、XM4までのデザインとは大きく異なり、丸みを帯びた美しいフォルムが特徴となっている。筐体の前面はマットで、エッジは光沢感がある。充電ケースも、丸みを帯びたデザインで少し小型化され、ポケットに入れるのに十分なサイズとなっている。ケースを含めて、XM5は最大24時間の再生が可能だ。イヤホン単体ではANCをオンにした状態で8時間再生が可能となっている。
コントロールは、前モデルと同様にタッチコントロールとなっている。筐体表面は一時停止、再生、ノイズキャンセリングコントロールのタップを感知することができる。加えてWF-1000XM5は、さらに一歩進んだヘッド・ジェスチャー・コントロールを搭載している。これにより、着用して頷くだけで着信を受け付け、頭を振ると着信が拒否することが出来る。これはLinkBudsのスキンセンス技術に近いものだが、XM5にはそのような機能は搭載されていない。
また、SonyのHeadphone Connectアプリを通じて、ユーザーはXM5の360 Reality Audio機能を使うこともできる。この機能は、より没入感を高めるためにバーチャルなサウンドステージを設定するものだ。
その他、マルチポイント接続、高速ペアリング、Googleアシスタントなど、Androidで望まれる多くの機能ももちろん搭載している。
既にいくつかの先行レビューでは、ライバルとなるBoseのQuietComfort Earbuds IIや第2世代 AirPods Proとノイズキャンセリング性能は互角レベルであり、音質は最高クラスとの意見が散見される。ただし、外音取込モードの自然な再現力はまだ他社に一歩劣る部分があるようだ。とはいえ、市場で最高クラスの性能を誇るワイヤレスイヤホンであることには違いないだろう。
価格は予想通り299ドルで、出荷は7月26日からとなっている。
日本での価格はまだ未定だが、前モデルよりは確実に高くなるだろう。日本での発表は午前10時とのことなので、最新の情報が入り次第随時更新する。
[2023年7月25日10時追記] 日本での価格が発表された。税込み41,800円で、9月1日発売となる。
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