Sony、世界初グローバルシャッター方式を採用した『α9 III』超高速フルサイズミラーレスカメラを発表

masapoco
投稿日 2023年11月8日 6:26
a9iii hero

Sonyは、フルサイズレンズ交換式ミラーレスカメラである「α7」の発売10周年にあたり、新たなミラーレスカメラ『α9 III』を発表した。世界初となる画像技術の画期的な進歩「グローバルシャッター方式のイメージセンサー」を搭載したこのα9 IIIは、Sony αの次の10年を語る上で記念碑的な製品と言えるだろう。

世界初のフルサイズグローバルシャッターイメージセンサー搭載

『a9 III』は、世界初のフルサイズグローバルシャッターイメージセンサーを搭載している。

従来のローリングシャッター方式は、画像の撮像面上部の画素から順に読み出す方式を取っている。一方、グローバルシャッター方式は、全画素を同時に露光・読み出す方式だ。

グローバルイメージセンサーは写真撮影に多くの利点をもたらすが、特にローリングシャッターで問題となっていた動体の歪みを完全に排除することができる。

ブラックアウトフリーの120コマ/秒撮影を実現し、専用のAI処理ユニットを使用したリアルタイム認識オートフォーカスにより、これまでにない高速アクション撮影が可能だ。

a9 IIIの撮影速度は1/80,000秒という素晴らしいものだが、連続撮影時のシャッター速度は1/16,000秒に「のみ」制限される。グローバルセンサーへの移行はフラッシュ撮影にも大きなメリットがあり、任意のシャッタースピードでフラッシュ同調を可能にする。

グローバルシャッター・センサーへの移行は、真にフリッカーレスの撮影を可能にし、人工光で撮影するフォトグラファー、特にLEDや蛍光灯のある環境で撮影するスポーツ・フォトグラファーにとっては大きな利点をもたらすことだろう。

スピードに関しては、フルフレーム積層型2460万画素CMOSイメージセンサーは、フルオートフォーカス、自動露出追従および測光で、毎秒120コマ、すべて歪みゼロで撮影可能だ。バッファ深度は1.6秒で、a9 IIIはこのモードで14ビットのRAWも撮影できる。

EVFは120Hzで更新され、120fpsでもブラックアウトのない撮影を保証する。

また、新開発のBionz XR処理エンジンは、a9 IIの処理エンジンの8倍の処理速度を誇っている。

さらに、シャッターを押す前にその瞬間を撮影できるプリキャプチャーも搭載している。このモードは最大120フレーム/秒で動作するため、カメラは最大1秒間の画像を連続的に記録する。シャッターが押されると、a9 IIIはその1秒前から記録しているのだ。

とはいえ、120コマ/秒はそう多用する場面も多くないだろう。そのため、通常はカメラ前面のC5ファンクションボタンで“スピードブースト”機能としてデフォルトで設定されているカスタムボタンを押すことで、撮影者はシャッターから指を離すことなく、必要な時だけ120fpsにすることができる。超高速で撮影された画像はビデオシーケンスとして表示される。

AF自体は賢くなったようだが、759点AFシステムを含むいくつかのAFスペックは変わらない。AFポイントはイメージセンサーの95.6%をカバーし、-5EVまでのAFが可能だ。さらに、小、中、大のオプションに加えて、特小と特大のフォーカスポイントも追加されている。特小は目のオートフォーカスエリア程度の大きさだ。

ボディ内5軸手ブレ補正システムは、最大8段のブレ補正が可能だというする。Sonyによると、シンクロIBIS性能のおかげでフレーミングの安定性が向上しているという。

動画に関しては、a9 IIIは4K/60p動画とクロップなしの4K/120p動画のための6Kオーバーサンプリングが可能になっている。このカメラは、10ビット4:2:2 All-I、16ビットRAW出力、S-CinetoneとS-Log3、さらにダイナミックアクティブモードの手ぶれ補正に対応している。ちなみに、a9 IIIはクロップなしの4K/120p動画を提供する最初のαカメラだ。

デザインも見直しが図られている。洗練された人間工学に基づいたフロントグリップデザインと4軸マルチアングル液晶モニターが特徴だ。シャッターはクイックレスポンスデザインで、”より良い感触”で “より反応が良い”とされている。

前述の通り、前面のC5ファンクションボタンが新しくなった。ドライブモードダイヤルには新たにロック機能が追加され、完全な片手操作が可能になった。

4軸液晶は3.2インチで、2095万ドット、広色域(DCI-P3)のタッチパネルだ。また、4軸マルチアングルにも対応している。

また、a9 IIIのデザインを踏襲した、新たに再設計されたオプションの縦位置グリップも同時に発売となる。このグリップっでは、パラレルパワー、つまり各バッテリーを1つずつではなく同時に使用することができる。

価格はオープン価格。店頭予想価格は88万円程度。発売は2024年1月26日を予定している。


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