SK hynixが、AIチップに欠かせない高帯域幅メモリー(HBM)製造のために、最先端の製造工場をインディアナ州に建設する計画である事がFinancial Times紙によって報じられている。SK hynixの計画に詳しい関係者の話では、SK hynixはTSMC製のNVIDIA GPUに使用されるHBMスタックを製造する事に注力する物になるとのことだ。
現在、SK hynixの既存のHBMチップは韓国で製造され、台湾に出荷され、委託製造業者のTSMCがNVIDIA製品に統合している。
TSMCは現在、アリゾナに2つの高度パッケージング工場を建設中だ。韓国産業経済貿易研究院(Korea Institute of Industrial Economics and Trade)の研究員であるKim Yang-paeng氏によると、TSMCのアリゾナ工場とSK hynixのインディアナ工場があれば、NVIDIAは最終的に米国内でGPUを生産する能力を持つことができるという。「これは米国政府が当初から望んでいたことであり、現地生産に補助金を与えるという最近の産業政策の結果である」と、同氏は付け加えた。
NVIDIAはまた、GPUのパッケージ生産にIntelの工場を利用するとも言われている。この契約は月産5,000枚で結ばれるとされている。現在のところ、生産の90%はTSMCが担っており、TSMCはHBM4の統合にも取り組んでいる。
ある匿名の米国政府関係者はFinancial Times紙に、より高度なチップを米国で生産し、そのようなハードウェアの台湾への依存を減らすことが全体的なアイデアだと語った。米国内でチップを製造するのも一つの手だが、それを海外に出荷してパッケージングすることは、サプライチェーンと国家安全保障上のリスクを生むとBiden政権は考えているのだ。
SK hynixも新施設から恩恵を受けるだろう。NVIDIAのサプライチェーンにより深く統合することで、SK hynixは、NVIDIAのビジネスを争っているMicronやSamsungを含む他のHBMメーカーを撃退するのに有利な立場になるだろう。
なお、SK hynixはインディアナのHBM施設を公式に確認していない。FTに発表された声明の中で、同社は公式見解として、米国への投資の可能性を検討しているが、まだ最終決定はしていないと述べている。
仮にすぐに発表があったとしても、施設が完成して生産が可能になるまでにはまだ数年はかかるだろう。
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